北部州 (ナイジェリア)

北部州の概要

北部州（ほくぶしゅう、英: Northern Region）は、ナイジェリアの北部に位置し、1954年から1967年までの間、ナイジェリア第一共和政において存在した連邦構成州です。この地域は、ソコト帝国やヌペ王国、カネム・ボルヌ帝国の南西部を含む歴史ある土地で、主にムスリムが多数を占める地域として知られています。

歴史的背景

北部州は、北部ナイジェリア保護領として知られる期間に、イギリスによる間接統治が行われました。この時期、各地の伝統的な首長がその地位を保持し続けていたため、州内に首都は設けられませんでした。ナイジェリアが独立する前、この地域では自治政府が設立され、州都はカドゥナに設定されました。カドゥナは、地域の政治や行政の中心地として重要な役割を果たしました。

初代首相には、ソコトの世継王子であったアフマド・ベロが就任し、彼は北部州における政治の指導者として広く知られていました。しかし、1966年に発生したクーデターにより、彼は悲劇的な運命を迎えました。

住民投票と変更

1962年、北部州において住民投票が行われ、その結果、イギリスの領土であった北カメルーンの北部が北部州に併合されました。この出来事は、地域の地政学的な構造に大きな影響を与えました。

12州制への移行

しかし、1966年のクーデタの影響を受け、1967年にはナイジェリア政府により12州制が導入されました。この新しい制度に伴い、北部州は6つの新しい州に分割されることになりました。具体的にはカノ州、西部中央州、ベヌエ＝プラトー州、北部中央州、北東部州、北西部州の合計6州が創設され、堅固に存在していた北部州の枠組みは崩れ去りました。特にベヌエ＝プラトー州は1976年には再分割されてベヌエ州とプラトー州に分かれたことで、その行政区域はさらに細分化されました。

このように、北部州はナイジェリアの歴史の中で重要な役割を果たし、多様な文化や歴史的背景を持つ地域として、現在もその影響が残っています。

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