北野 (京都市)

京都の地名「北野」：歴史、地理、そして現代

はじめに

京都市上京区と北区にまたがる地名「北野」。その歴史は平安京の創建にまで遡り、古くから重要な地域として発展を遂げてきました。この記事では、北野の地名にまつわる歴史、地理的特徴、現在の行政区分、交通手段、そして主な施設などについて詳細に解説します。

平安京と北野

北野という地名は、平安京大内裏の北側に広がる野原を意味します。紫野など、同様の由来を持つ地名も存在します。平安時代には、右近衛府の馬場が置かれるなど、重要な場所であったことがうかがえます。

北野天満宮と七野

現在、北野といえば北野天満宮を思い浮かべる人が多いでしょう。北野天満宮は菅原道真を祀る神社で、その創建以来、この地域の中心地として発展してきました。北野は、京都の七野（内野、北野、平野、上野、紫野、蓮台野、〆野）の一つともされており、京都北部の野の総称として位置付けられています。

近世以降の北野

天正15年（1587年）、豊臣秀吉による北野大茶湯の開催地としても知られる北野は、近世に入ると上七軒を中心とした花街が発展しました。紙屋川（天神川）を境に、上京区側と北区側に分かれており、それぞれ異なる歴史的経緯を辿ってきました。

現在の北野：上京区と北区

現在、北野天満宮のある上京区側は、馬喰町などの細かい町名で構成されています。一方、紙屋川西側の北区には、「北野」を冠する複数の町名があり、近世の北野村に由来しています。北区の北野地域は、北野紅梅町、北野東紅梅町、北野上白梅町、北野下白梅町、北野西白梅町の5町で構成されています。かつて存在した北野白梅町は、現在では交差点名やバス停名として残っています。

北野の地理と交通

北区の北野地域は、西大路通と今出川通が主要な交通軸となっています。この2つの道路が交差する北野白梅町交差点は、地域の中心部であり、嵐電北野線の北野白梅町駅もここに位置しています。また、京都市営バスや西日本JRバスも運行しており、交通アクセスは良好です。

行政区分と教育

北野地域は、京都市内の地域自治の単位である元学区において、衣笠学区と大将軍学区にまたがっています。具体的には、北野紅梅町、北野東紅梅町、北野上白梅町が衣笠学区、北野下白梅町、北野西白梅町が大将軍学区に属します。小中学校の通学区域も、これらの学区に準じています。

北野を称する主な施設

北野地域には、北野天満宮をはじめ、北野郵便局、北野商店街、上京消防署北野消防出張所など、多くの施設があります。また、嵐電北野線の北野白梅町駅も地域住民にとって重要な施設の一つです。

沿革

近世の葛野郡北野村に由来する北野は、畑作を中心とした農村として発展しました。明治22年（1889年）の町村制施行により、周辺の村と合併し衣笠村の大字となり、大正7年（1918年）に京都市に編入されました。その後、昭和30年（1955年）の上京区から北区への分区により、現在の北区に属することとなりました。町名についても、大正7年の編入時に北野紅梅町と北野白梅町が成立し、昭和35年（1960年）の町界変更で現在の5町へと再編されました。

まとめ

歴史と文化、そして現代的な都市機能が融合する北野は、京都の奥深い魅力を感じることができる地域です。今後も、その歴史と発展を見守り、その魅力を伝えていくことが重要です。

もう一度検索