北門古墳群

北門古墳群の概要

北門古墳群（ぼっかどこふんぐん）は、神奈川県横浜市緑区十日市場町にあり、6世紀後半から7世紀にかけて築かれた古墳の集合体です。この古墳群は、埼玉県鴻巣市の生出塚埴輪窯跡で作られた埴輪を使用した古墳群としては、千葉県市原市国分寺台にある山倉古墳群と並び、南方に位置する重要な遺跡です。

立地と発掘調査

この古墳群は、鶴見川支流の恩田川に面した台地の上に造られています。1980年頃の調査では、1号から4号墳が確認され、特に埴輪が多く見つかったことが記録されています。しかし、4号墳は横浜線の線路によってほとんどが破壊されてしまいました。

2004年には、駐車場の造成に伴い、民間発掘会社による調査が行われました。調査の結果、既に知られていた1・2・4号墳が発見された他、位置が異なる新しい5号墳も見つかりました。特に、4号墳に関する位置が1980年の報告と若干異なるため、未知の古墳（6号墳）である可能性も指摘されています。また、発掘では、泥岩を使った切石で構成された横穴式石室や周溝も確認されました。この地域での古墳の利用状況やその構造についての貴重な情報が得られています。

出土品とその意義

発掘調査によって、1号墳からは土師器や多くの「人物形象埴輪」が出土しました。これらの埴輪の形状や粘土成分の分析から、埼玉県鴻巣市にある生出塚埴輪窯で製作されたものであることがわかりました。これにより、埴輪が横浜市緑区まで長距離輸送されていたことが明らかになり、古墳文化が広範囲に普及していたことが示唆されています。生出塚埴輪窯の製品は、同じく千葉県市原市の山倉古墳群1号墳でも発見されており、このことは埴輪の流通が地域を越えていたことを物語っています。

1号墳からの出土品は、2006年11月1日に市指定文化財（考古資料）に指定されており、地域の歴史や文化に対する重要な証拠となっています。

参考文献

1. 坂本, 彰「北門古墳群をめぐって」『都筑文化』第1号、緑区郷土史研究会、1980年10月。
2. 株式会社盤古堂 編『横浜市緑区 北門古墳群Ⅰ』株式会社盤古堂、2007年3月31日、1-56頁。
3. 横浜市埋蔵文化財センター（編）「古墳に樹てられた埴輪たち－戸塚区上矢部町富士山古墳と緑区北門1号墳の埴輪－」（PDF）『埋文よこはま』第17号、横浜市ふるさと歴史財団、2008年3月28日。

関連項目

• - 生出塚埴輪窯跡群

このように、北門古墳群は歴史的宝物であり、今後の研究や愛される地域の文化資源として貴重な役割を果たしていくことでしょう。

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