北陸鉄道松金線

松金線の概要

松金線（しょうきんせん）は、石川県金沢市の野町駅から白山市の松任駅を結ぶ鉄道路線です。この路線は、開業当初は馬車鉄道として運行され、その後電化されました。松金線は、運行開始から1955年までの間、地域の交通の重要な役割を果たしましたが、経営上の理由から廃止されました。

歴史的背景

松金線の開業は1898年であり、官設鉄道の北陸本線松任駅が設置された後、地元有志によって松任と金沢を結ぶ鉄道敷設が計画されました。1902年には松金馬車鉄道が設立され、1904年には松任町から有松までの区間が開業しました。順次、金沢市の野町まで延伸され、明治時代後期には1日20往復、40分おきの運行が行われていました。

1914年には電化が決定しましたが、土地買収の問題があり、これにより電化計画は難航しました。しかし、最終的には馬車軌道を再利用する形で電化が実現し、その後、月日不詳の時期に八ツ矢と松任間も開業するといった改良が進められました。また、1919年に開業した金沢電気軌道との合併が協議され、1920年には松金電車鉄道が吸収されました。

路線の運行

松金線の運行は、開業当初は馬車によるものでした。その後、電化されたことで便便性が向上し、運行頻度も増加しました。特に、松任駅と野町駅間の営業運転には金沢市内線の車両が利用され、金沢市中心部の香林坊まで延伸されるなど、乗客の利便性が向上しました。1955年11月15日には、経営の合理化や国道8号線の整備に伴い全線が廃線となります。これにより地域の交通手段は、主にバスへと移行しました。

現在の影響と遺産

松金線の廃止は、当時の地域交通に大きな影響を与えました。特に松任駅は、石川郡役所の所在地であったため、多くの人々に利用されていました。この路線がもたらした地域の輸送の便益は今も語り継がれています。廃止後も松金線の遺構や路線の記録は地域文化の一部として残り、郷土の歴史を知る手がかりとなっています。

路線データ

• - 路線距離：8.4km（最盛期）
• - 軌間：1067mm
• - 複線区間：なし（全線単線）
• - 電化：全線（直流600V）

株主と運営

松金線は、設立当初から地域の有志が関与しており、特に田中喜太郎が大きな役割を果たしました。電化計画の際には、資本の増資が行われ、大株主には横山芳松が名を連ねるなど、地域の経済状況とのつながりも見て取れます。

結論

松金線は、地域の交通ネットワークの一端を担った重要な鉄道路線でした。様々な歴史的経緯や運営の課題がありながらも、開業から廃止に至るまで地域住民にとっての利便性を提供し続け、現在でもその影響は地域の文化に根付いています。

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