北陸鉄道能登線

能登線の概要

能登線（のとせん）は、石川県羽咋市の羽咋駅から同県羽咋郡富来町（現在の志賀町）の三明駅を結んでいた北陸鉄道の鉄道路線です。この路線は、かつての地方交通の重要な一部でありましたが、1960年代以降の過疎化とモータリゼーションの進展に伴い、運営が困難になり、1972年6月25日に全線が廃止されました。

歴史的背景

能登線の起源は、1920年に許可を受けた「能登鉄道株式会社」にまで遡ります。この鉄道は、富山県氷見から石川県の羽咋、富来を経て、最終的には輪島までの建設を計画していました。多くの地方住民が株主となり、当時の経済状況にもかかわらず順調に資金調達が行われ、1925年に羽咋駅から能登高浜駅まで開業しました。

その後も駅が新たに開業しながらも、財政的な問題から一部計画は放棄され、最終的に1960年代までにその運営は厳しくなりました。最北端の地域に位置していた能登線は、他の北陸鉄道の電化路線からは孤立しており、乗客数の減少は避けられませんでした。

路線データ

• - 路線距離：25.5 km
• - 駅数：13駅（起終点駅含む）
• - 軌間：1067 mm
• - 運行形態：全線単線で電化されていませんでした。主に気動車が使用されていました。
• - 閉塞方式：タブレット式が採用されており、列車交換は能登一ノ宮、柴垣、能登高浜の各駅で行われました。

運行形態と車両

利用されていた車両は、気動車や木造客車が中心でした。1969年の時点で、羽咋駅には気動車5形式に加え、ディーゼル機関車も1両が配置されていました。これらの車両は、羽咋駅と三明駅の間において14往復、羽咋駅と能登高浜駅の間で4往復の運行があり、特に夏季は海水浴客を対象にした臨時便も設定されていました。

また、駅プラットホームは長く整備されており、初詣シーズンには金沢からの直通列車が運行されるなど、地域とのつながりが強かった時代もあります。

廃線後の状況

1972年の廃止後、能登線の多くの区間は「石川県道293号羽咋巌門自転車道線」として整備され、自転車利用者に利用されています。このように、過去の鉄道路線が新たな形で地域に貢献しているのは、地域振興の一環として注目されています。また、能登線の廃止に伴い、旧路線を利用する代替バスも運行され、羽咋駅から富来町などへアクセスが可能となり、地域交通の維持に寄与しています。

まとめ

能登線の歴史は、地域の発展に寄与した交通機関の一つとして、また過去の足跡を辿る重要な役割を果たしています。かつての鉄道の姿を思い起こさせる廃線跡や自転車道は、訪れる人々にその歴史を感じさせることでしょう。

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