北陸鉄道金名線

金名線の歴史と特徴

金名線（きんめいせん）は、石川県白山市の南部を通るかつての鉄道路線であり、旧石川郡鶴来町の加賀一の宮駅から旧鳥越村の白山下駅を結んでいました。路線距離は約16.8kmで、1067mmの軌間が採用されていました。全線単線であり、駅数は14駅ありました。この路線は全線が直流600Vで電気運行されていましたが、1984年に運行が休止され、1987年には完全に廃止されてしまいました。

開業と歴史的背景

金名線の開業は1926年で、当初は軽便鉄道として利用されていました。この時、沿線の住民からは「ポッポ汽車」と親しまれていました。開業の背景には、金沢と名古屋を結ぶ壮大な計画があり、金名鉄道という株式会社が設立されたのもこの計画の一環でした。建設資金には、運送業を営んでいた小堀定信が多額の資金を提供し、彼の経営努力がこの路線の開通につながりました。

当初の計画では、金名線は白山白川郷ホワイトロードと同様の経路を通る予定でしたが、名古屋方面への延伸には膨大な建設費がかかることがネックとなり、結局、白山下駅までの路線となりました。その後、北陸鉄道に統合され、金名線は当時の鉄道網の一部となります。

利用者の減少と廃線

1970年代からは沿線地域の過疎化が進み、また並行する道路の整備が進んだことで、金名線の利用者は次第に減少しました。1970年4月には昼間の運行が中止され、バスによる代替交通手段が導入されました。1983年には豪雨の影響で橋梁が破損し、その後復旧はされるものの、全線休止状態が続くことになります。

最終的に1987年4月に鉄道の廃止が申請され、同年4月29日に金名線は正式に廃線となりました。

地域への影響

金名鉄道の開通は、白山麓周辺地域に大きな影響を与え、交通手段の近代化を促しました。手取川流域の道路が整備され、交通の便が向上しただけでなく、観光開発も進みました。また、石川県への編入を呼び起こすきっかけともなったことも忘れてはなりません。

終焉と再評価

金名線はその歴史を過ぎ、廃線となりましたが、今もなお地域住民の記憶に残る存在です。さらに、廃線跡は手取川自転車道として整備され、時を経てもその名残を残しています。金名線の歴史を振り返ることで、地域の交通の発展や人々の生活様式の変化を知ることができるでしょう。

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