北陸鉄道金沢市内線

金沢市内線について

金沢市内線（かなざわしないせん）は、かつて石川県金沢市に存在した北陸鉄道の路面電車であり、市民に親しまれていました。この路線は1919年に開業し、約48年間にわたって運行されました。2つの大きな河川、犀川と浅野川に挟まれた金沢市の旧市域を中心に敷設されたこの軌道線は、金沢駅と市街地をつなぎ、地域の交通手段として重要な役割を果たしていました。

開業と運行の歴史

金沢市内線の起源は長く、1912年に金沢電気軌道として特許を取得し、1916年に会社が設立されました。そして1919年2月、金沢駅前から兼六園下までの区間が開通しました。この年のうちには中心部である第1期線が全線開業し、その後も1945年までの間に路線の延伸が続き、全長は12.5キロメートルに達しました。

1942年には北陸鉄道に運営が移管され、バスの普及や自動車の増加に伴い、市内線の利用者は徐々に減少し始めました。それでも1947年度には3480万人が利用し、年間の最高記録を達成しました。その後、利用者数は減少の一途をたどり、1966年には運行されていた区間の一部が廃止されました。

最盛期と廃止

市内線の最盛期には、貴重な市内の交通手段として多くの人々に利用されましたが、1960年代に入ると、バス路線の増加と自動車の普及により、次第に乗客が減少し始めました。特に1965年に起こった兼六坂暴走事故は、路面電車の安全性に対する懸念を引き起こし、廃止の決定に拍車をかけることとなりました。

1966年には運営会社が市内線全線の廃止を決定し、1967年2月には全線が廃止されました。これにより金沢市は北陸の県庁所在地では唯一、全ての路面電車が廃止された都市となりました。運行を終えた金沢市内線は、バスなどの代替交通手段に取って代わられることとなりました。

車両と運行系統

金沢市内線で使用されていた車両は主に木造単車から始まり、半鋼製車両やボギー車に至るまで、様々な形式が運行されていました。運行系統は1962年には6種類あり、金沢城址を一周する環状線や、金沢駅方面などへの接続がありました。

このように、金沢市内線は長い歴史を持ち、金沢の市街地を結ぶ重要な交通手段として多くの人に利用されてきました。廃止後も市内線の存在は金沢市民の心の中に残っています。

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