北黄金貝塚

北黄金貝塚

北海道伊達市北黄金町に位置する北黄金貝塚は、縄文時代前期・中期にわたる大規模な貝塚を伴う集落遺跡です。北海道に存在する縄文貝塚の約5分の1を占めるという広大な面積を誇り、1987年には国の史跡に指定、2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。

概要

発掘調査は遺跡の一部に限られていますが、これまでに5箇所（A地点、B地点、C地点、A'地点、南斜面貝塚）の貝塚から、多種多様な遺物が出土しています。ハマグリ、カキ、ホタテといった貝類のほか、マグロやヒラメなどの魚骨、さらにはオットセイやクジラといった海獣の骨も大量に発見されており、当時の人々が豊かな自然資源を利用していた様子が伺えます。

また、14基に及ぶ埋葬人骨や、シカの頭骨を配置した動物儀礼の跡も見つかっており、この場所が単なる生活の場だけでなく、「送り場」としての役割も担っていたことが示唆されています。遺跡内には竪穴建物が復元されているほか、縄文人にとって重要な水源であった湧水も存在します。湧水点付近からは、大量の礫石器が見つかっていますが、その多くが破損していることから、石器の廃棄による祭祀場跡と考えられています。

特筆すべき出土品としては、世界最古級の「刀」があります。これらの発見から、北黄金貝塚は「アイヌと倭人の分岐点となった7000年前の史跡」とも言え、当時の社会構造や人々の暮らし、文化を研究する上で極めて重要な手がかりを提供してくれます。

北黄金貝塚公園

現在、貝塚は「北黄金貝塚公園」として整備・保存されており、一般に公開されています。毎年8月には、縄文土器の野焼き体験や当時の生活を再現する「縄文まつり」が開催され、多くの人々が縄文文化に触れる機会となっています。

ギャラリー

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北黄金貝塚情報センター

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アクセス

• - JR室蘭本線 黄金駅下車
• - 道南バス「北黄金貝塚公園前」下車、徒歩約5分

北黄金貝塚は、太古の昔に生きた人々の息吹を感じられる貴重な場所です。ぜひ一度足を運んで、縄文時代のロマンに触れてみてください。

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