十・十空襲

十・十空襲について

十・十空襲（じゅう・じゅうくうしゅう）または沖縄大空襲（おきなわだいくうしゅう）は、第二次世界大戦の後期である1944年10月10日に実施されたアメリカ海軍による大規模な空襲を指します。この空襲は、南西諸島の広範囲にわたって日本軍の艦船などに深刻な損害を与え、那覇市の市街地のほとんどが焼失するという大きな被害をもたらしました。なお、那覇の空襲については「那覇空襲」とも呼ばれています。この攻撃では、日本軍の防衛態勢が不十分であったため、効果的にアメリカ艦隊に対抗することができませんでした。

背景

沖縄を含む南西諸島は、1944年6月にマリアナ諸島が陥落した後、アメリカ軍の侵攻に備える必要があったため、急速に防衛態勢が促進されました。その一環として、アメリカ軍はフィリピンへの進攻に先立ち、沖縄を攻撃目標としました。彼らはウィリアム・ハルゼー大将の指揮する第3艦隊の空母部隊にこの任務を託しました。

当時、沖縄には4個師団と5個旅団からなる陸軍部隊が配備される一方、民間人は本土や台湾に疎開が進められていました。しかし、十分な空軍の防備がなく、沖縄本島には高射砲や高射機関砲は配置されていましたが、戦闘機の数は限られていました。

戦闘経過

1944年10月6日、アメリカ艦隊は沖縄近海に接近し、10日に向けての準備を進めざるを得ませんでした。日本側はアメリカ艦隊の動きを受けていたものの、正確な情報を掴むことができず、対処が遅れました。天候も悪化し、台風が接近している状態でした。

10日の朝にアメリカ艦隊は沖縄への空襲を開始し、最初の攻撃隊が午前6時45分に北飛行場に到達し、続々と攻撃が行われました。空襲は複数回にわたり、延べ1396機が使用されました。日本側では海軍の警戒レーダーが探知を試みましたが、精度に欠け、攻撃機の接近を十分に把握できませんでした。

アメリカ軍は飛行場や艦船に対して無差別攻撃を行い、さまざまな艦艇が撃沈され、大規模な火災が発生しました。那覇市内では、市街地全体が炎に包まれ、多くの民間人が巻き込まれる結果となりました。沖縄本島を含めた他の島々でも空襲が行われ、地域ごとに深刻な被害が発生しました。

結果と影響

この空襲による日本側の被害は甚大で、軍関係者だけでなく、多くの民間人が犠牲になりました。報告によれば、沖縄本島における死者は330人を越え、那覇市では9割の市街地が焼失しました。民間人の死者は255人にのぼり、多くの人々が避難を余儀なくされました。また、沖縄鉄道や民間自動車の大多数も被害を受けました。

日本政府はこの事件を受けてアメリカに対して抗議しましたが、アメリカ側はそれに対して応答しませんでした。日本側の情報の混乱や指揮系統の不備も、空襲の被害を拡大させる要因となりました。日本軍はこの空襲を教訓として、以降の戦略を見直す必要性を痛感することになりました。

十・十空襲は日本の沖縄において、多くの人々に心に残る悲劇をもたらしました。戦争の悲惨さと、無辜の人々が被る被害の深刻さを考える上で、決して忘れてはいけない出来事です。

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