十一屋町

十一屋町（じゅういちやまち）

十一屋町は、石川県金沢市に位置する町名で、独自の丁目を持つことなく、全域にわたり住居表示が実施されている地域です。この町の郵便番号は921-8106です。歴史的には、旧加賀国石川郡富樫郷の一部であり、周囲には若草町、法島町、寺町、そして平和町が隣接しています。

町名の由来

十一屋町の名前は、地元の農民たちが周辺地域を開墾し、娯楽や生活のための小屋を建てたことに由来しています。昔、この地域で生活していた農民たちが11軒の戸数を持っていたことが名称の由来とされており、当時の初期の部落形成の姿がうかがえます。元和8年（1622年）に、11人の農民がそれぞれ屋敷地を割り当てられたことも、この町名の背景にあるという著述があります。

沿革

十一屋町の成り立ちは、江戸時代にまで遡ります。1622年に十一屋村が形成され、その後1655年には泉野村に編入されたとされています。江戸時代を通じて、加賀藩の領域の一部として存在し、1871年の廃藩置県により金沢県の管轄下に置かれました。

1872年には金沢県が石川県に改称され、1889年には町村制施行により野村が発足、同村内の十一屋との表記が使われるようになりました。1925年には野村が金沢市に合併され、十一屋町となります。460年以上の歴史を持ち、1963年には新しい住居表示が実施され、今日の十一屋町が形成されることとなりました。

学校区

十一屋町には、金沢市立の教育機関があり、市立十一屋小学校がその中心的な施設として存在します。また、地元住民のための金沢市十一屋生きがい交流館もあり、地域のコミュニティ活動の場として重要な役割を果たしています。

交通アクセス

この地域は、石川県道144号別所野町線が通っており、自動車やバスの交通の便が整っています。具体的には、北鉄バスが運行されており、十一屋バス停を利用することで周辺地域への移動が可能です。

参考書籍

十一屋町の歴史や文化を深く理解するためには、新保望氏著『金沢城下南部の歴史』が有用です。この本は地域の歴史を学ぶための貴重な資料となっており、1987年に発行されました。

そして、地域住民に密接に関連した生活環境やコミュニティ活動が行われているため、十一屋町は多様な歴史的背景を持ちながら、現代の生活に適した居住地として存在し続けています。

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