十一年式平射歩兵砲

十一年式平射歩兵砲について

十一年式平射歩兵砲（11ねんしきへいしゃほへいほう）は、旧日本陸軍が1922年に正式に制式化した37mm口径の軽量歩兵砲である。この武器は機関銃陣地の破壊や特定の火点に対する狙撃を目的として開発された。特に、先に開発された狙撃砲と同様の役割を持っていたと言われる。

概要

この歩兵砲は、軽量かつ小型であり、特にフランスのプトー37mm歩兵砲に影響を受けたと言われている。砲身後座方式で設計されており、構造は砲身と砲架から成る。砲身は単肉鋼製で、全長は1040mm、そして閉鎖機は半自動の垂直鎖栓式となっている。このため、砲身の重量は27.8kgとされ、同時期の狙撃砲（42kg）に比較して軽量であった。

砲架は前脚と2つの後脚による三脚式で、高さは55cm（高姿勢）から38cm（低姿勢）に調整可能である。運搬も考慮されており、提棍（キャリングハンドル）によって容易に持ち運べる設計がなされている。三脚架の重さは42.6kgで、戦砲隊は指揮官1名と兵士10名（砲手8名、馭兵2名）で編成される。

使用目的と特徴

この砲は、陸軍が保有するいくつかの戦車に搭載されることもあり、特にルノー甲型戦車の一部はこの歩兵砲を搭載していた。これに関連して、九四式三十七粍戦車砲はこの歩兵砲の改良版とも言われることがあるが、実際には狙撃砲の車載改造型に近いとされる。

砲弾の種類

歩兵砲に使用される砲弾には、最初は破甲榴弾が用意されており、多目的に使用できる設計であったが、戦車に対する有効性が低いことが明らかになった。そこで、新たにニッケルクローム鋼製の弾薬が試作され、満足な試験結果を得ることができた。その結果、十二年式榴弾や代用弾が開発され、これまでの砲弾は廃止された。

十二年式榴弾は、600mでの貫徹力において、当時の装甲に対して十分な能力を持つことが確認されている。しかし、最終的には新型戦車に対する威力不足が指摘され、高初速の新たな火砲の研究が進む中で、これらの歩兵砲は次第に現役を退くこととなった。

まとめ

十一年式平射歩兵砲は、旧日本陸軍において特定の目的を持ちながらも、その後の技術革新により役割が変わることになった。このように、軍事技術の進化が武器の役割にどのように影響を与えるかを理解することが、歴史を学ぶ上で重要である。

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