十二所神社 (姫路市)

十二所神社について

兵庫県姫路市に位置する十二所神社（じゅうにしょじんじゃ）は、医薬の神様を祀る神社であり、地域の人々に長年親しまれています。特に病気平癒に関する御利益があるとされ、多くの参拝者が訪れています。さらに、境内には播州皿屋敷の主人公、お菊を祀ったお菊神社も立ち寄りスポットになっています。

祭神とその歴史

この神社の祭神は少彦名大神であり、彼は医薬の神としての役割を担っています。社伝によれば、928年（延長6年）、地域で疫病が蔓延し、住民が大変な苦しみを強いられていた時、異変が起こりました。一夜にして12本の蓬が生い茂り、その場に現れた少彦名神が「この蓬で疫病を治癒せよ」との神託を下しました。この神託に従い、住民たちは蓬を用いて病を癒しました。

感謝の意を込めて、住民は少彦名神を南畝町字大将軍に祀った後、1175年（安元元年）には現在の場所に移されています。この位置は、姫路城の裏鬼門（南西）にあたるため、藩政時代に御旅所から遷座されたという説も存在します。

現在の社殿とその特徴

1945年の姫路空襲では神社も被害を受け、境内は縮小されましたが、現在でも十二所神社は重要な歴史的・文化的な場所として存在しています。社名には「12本の蓬」が由来しており、神紋も蓬の葉が用いられています。また、拝殿は東向きという特異な設計がされています。附近の地区名も「十二所前町」と名付けられ、国道2号線もそれに合わせて「十二所前線」と呼ばれています。

お菊神社について

境内にはお菊神社が併設されています。祭神である菊姫命（お菊）は、十二所神社を参詣していたという伝承があり、そのために祀られることとなりました。蓬と菊の両者が薬草であることから、医薬の神としての菊姫伝説がこの神社と結びついています。また、お菊の物語は地域の文化にも深く根付いており、人々に愛され続けています。

アクセスと所在地

十二所神社は姫路市十二所前町120に位置しています。交通アクセスについては、JR山陽本線姫路駅または山陽電鉄山陽姫路駅からのアクセスが便利で、大手前通りの白銀交差点を西に約400メートル進めば到着します。周囲の風景を楽しみながらの散策も魅力の一つです。

まとめ

十二所神社はその歴史的背景から地域に密着した神社であり、患者の回復を願う多くの人々に支えられ続けています。特に医薬の神としての信仰が強いことから、医療従事者や病に悩む人々からも大きな信頼を寄せられています。お菊神社との関連もあり、多くの方々が訪れるスポットとして、一度足を運んでみる価値がある場所です。

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