十方暮

十方暮（じっぽうぐれ）とは？

十方暮（じっぽうぐれ）、別名十方闇は、暦注の一つで、甲申（きのえさる）から癸巳（みずのとみ）までの10日間を指します。この期間は、天と地の気が相克し、物事がうまく運ばない非常に不吉な日とされています。多くの暦には、この期間は「労多くして功少ない日」など、注意を促す記述が見られます。

十方暮の期間

十方暮は、干支で甲申から癸巳までの10日間です。具体的には、以下の通りです。それぞれの日の干支の五行と、十二支蔵干の本気五行が相剋している日が8日間も集中しているため、特別な凶日とされています。

甲申（きのえさる）
乙酉（きのととり）
丙戌（ひのえいぬ）
丁亥（ひのといの）
戊子（つちのえねずみ）
己丑（つちのとうし）
庚寅（かのえとら）
辛卯（かのとウサギ）
壬辰（みずのえたつ）
癸巳（みずのとみ）

この中で、丙戌（ひのえいぬ）は相生、己丑（つちのとうし）は比和の関係にあり、本来であれば凶日とは見なされない「間日」となります。しかし、十方暮の間日は周囲の日の凶の影響を受けて凶日とされ、暦には間日である旨の記載は通常ありません。

十方暮の名称の由来

「十方」とは、天地と東西南北上下の八方、つまりあらゆる方向を意味します。「暮」は「闇」を意味し、十方暮は「四方八方、あらゆる方向が閉ざされた状態」を表現しています。

一方、「途方に暮れる」という熟語との語呂合わせから「暮」の字をあてたという説や、10日間であることから「十」の字を用いたという説もあります。いずれにしても、この期間が非常に困難で不吉なものであることを示唆しています。

十方暮の過ごし方

十方暮は、物事がうまく運ばない可能性が高いとされています。そのため、重要な契約やイベント、新しい事業の開始などは避けた方が無難です。どうしても避けられない場合は、慎重な計画と準備を徹底し、リスク管理を怠らないようにしましょう。

日々の生活においては、焦らず、無理をせず、心穏やかに過ごすことを心がけましょう。普段以上に注意深く過ごすことで、不運を最小限に抑えることができるでしょう。

まとめ

十方暮は、暦の上で非常に不吉な日とされている10日間です。天と地の気が相克し、物事がうまく運ばない可能性が高いとされています。重要な予定は避け、慎重な行動を心がけましょう。しかし、過度に不安になる必要はなく、普段以上に注意深く過ごすことで、この期間を乗り越えることができるでしょう。

参考文献

岡田芳朗、阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』柏書房、1993年。ISBN 4-7601-0951-X。

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