十時啓視

十時啓視の生涯

十時啓視（ととき けいし、1936年4月25日 - 2001年9月27日）は、山口県岩国市に生まれ、プロ野球選手としてのキャリアを楽しんだ後、光写真印刷株式会社の社長を務めた実業家です。彼は広島観音高との接戦や、甲子園出場が叶わなかった高校時代を経て、1955年に読売ジャイアンツに入団しました。

選手としての軌跡

高校卒業後、読売ジャイアンツに入団した十時は、1956年に一軍に昇格しました。彼は右翼手として先発出場し、日本シリーズにも出場しました。その年の西鉄ライオンズとの日本シリーズでは目立った活躍を見せ、代打として出場した試合では安打を放ち、チームの勝利に貢献しました。

1957年の日本シリーズでも、さらなる活躍を見せ、特に第5戦では若生忠男から同点本塁打を打ち、チームの流れを作る重要な役割を果たしました。しかし、レギュラーとして定着するには至らず、代打や控えとしての存在感を発揮しました。

1960年には千葉茂監督のもと、近鉄バファローズに移籍。彼はこの年の開幕から右翼手として活躍し、自身最高の成績を収めました。特に56試合に先発出場し、5本塁打、20打点を挙げ、シーズンの後半は失速しつつも、準レギュラーとして活躍しました。1961年には千葉監督が退任したのを機に、近鉄から退団しました。

引退後のキャリア

選手生活を終えた後、十時は光写真印刷株式会社に入り、副社長を経て1971年に社長に就任しました。野球界で培ったチームワークやリーダーシップを生かし、企業の発展に寄与しました。その後、彼は2001年9月27日に肺梗塞により65歳でこの世を去りました。

選手としての特性

十時は「ヤジ将軍」として知られ、大きな声で的確なヤジを放ち、ベンチの士気を高める存在でした。西鉄との日本シリーズでは、ピンチの場面で投手の心労を軽減させるために、独自の声かけをして試合の流れを守りました。彼の打撃スタイルは後の掛布雅之に似た部分があり、瞬間的な長打力を見せることもありましたが、変化球には苦しむことが多かったようです。

記録と背番号

十時のプロキャリアは1956年3月24日の中日ドラゴンズ戦で始まりました。初安打はその数日後の3月31日、同じく中日戦で記録しました。1956年には背番号37、1960年から1961年には背番号8を背負いました。また、初本塁打は大洋ホエールズ戦であったことも特筆に値します。

まとめ

十時啓視の人生は、プロ野球選手としての成功と、企業の舵取りを任される実業家としての成功を収めた、非常に多才なものでした。彼のストーリーは、アスリートとしての努力と、引退後の充実したキャリアを追求する重要性を教えてくれます。

もう一度検索