十河氏

十河氏について

十河氏（そごうし）は、日本の武士で戦国時代に讃岐国で活動した一族です。彼らは古代讃岐に下った神櫛皇子の子孫であり、土豪としての勢力を持っていました。十河氏は、同じく讃岐で活動する神内氏や三谷氏と連携して植田党を形成しました。特筆すべきは、戦国時代における三好氏との関係があり、十河一存という重要な人物を養子として迎え入れたことで、三好一門の一員となりました。

戦国時代、十河氏は三好長慶が支配を強化する中、讃岐攻めにおいて先鋒を務め、寒川氏や安富氏を支配下において力を示しました。十河一存は「鬼十河」として知られ、戦闘での奮闘が広く認知されました。この名声は、彼の髷（まげ）が多くの武士に真似されるほどでしたが、彼は若くして有馬で命を落としました。

その後、十河家は一存の兄である三好実休の息子、十河存保が家督を継ぎました。信長の時代に、讃岐を巡る権力の変動が続く中、存保は長曾我部元親の侵攻に直面しました。この激闘は、讃岐国人の忠誠心が試されるものであり、多くの武士が元親側に与する事態が生じました。存保は戦うも劣勢に立たされ、中富川で元親の軍に敗退します。

その後、存保は信長に支援を求めたものの、信長は三好氏より長曾我部を支援する立場を取ります。結果として、存保は孤立しますが、豊臣秀吉の支援によって一時的に状況を好転させます。しかし、存保は九州征伐の最中に戦死し、その後も十河氏の名は歴史の表舞台から姿を消しました。

十河氏の影響力は四国一帯に及び、彼らの家系は後の世まで続きます。しかし、最終的には血筋が絶え、戦国時代の波乱の中で彼らの事績は薄れていきます。その後の時代には、十河姓を名乗る者が高松地域に多く見られるようになり、2023年には十河氏の傍流とされる人々が歴史イベントに参加することもありました。

十河氏の歴史は、戦国時代における権力闘争の激しさを物語っています。彼らの努力は、讃岐国の土壌を耕し、新しい時代の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。しかし、政局の激変や戦の激烈さが、彼らの運命を決定づけることになったのです。十河氏の名を語ることは、戦国時代の戦士たちの苦闘と栄光を偲ぶことでもあります。

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