十津川警部の対決

十津川警部の対決

西村京太郎の長編推理小説『十津川警部の対決』は、1989年に講談社から刊行された作品です。

あらすじ

伊豆半島の崖下で、ポルシェ911が転落しているのが発見されます。近くには、運転手の高田弘という男性の遺体がありました。高田は半年前の4月4日に発生した現金輸送車襲撃事件の主犯格であり、手帳には犯行の計画や、実行犯たちを操る様子が詳細に記録されていました。

高田は、分け前を使い切った実行犯たちに、新たな5億円強奪計画を立案させられます。事態を重く見た十津川警部は、高田の別荘でおとり捜査をすることに。体格が似ている亀井刑事が高田の身代わりとなり、犯人グループを誘き出す作戦を実行します。

亀井刑事は、警視庁のサポートを受けながら犯人グループを欺き、実行犯4人の素性を割り出すことに成功します。次のターゲットがパチンコ店「人生航路」であると判明し、十津川警部らは張り込みを開始しますが、店は謎の大爆発を起こします。さらに同時刻、三田興業が襲撃され、5億円が奪われてしまいます。

追い詰められた十津川警部は、この難局をどう乗り越えるのでしょうか？

登場人物

警視庁捜査一課

十津川省三
亀井定雄
西本明
三田村功
清水新一
本多時孝
三上刑事部長

各県警

静岡県警
入江本部長
新井刑事課長
富永刑事
石川県警
水野警部
千葉県警
八木警部

犯人グループ

高田弘（偽名）：事件の首謀者。高田の個人情報を盗み、成り済ましていた。
田代雄一朗：元自動車セールスマン。37歳。
川北操：自称「文学青年」。元セールスマン。30歳。
青木淳：元スピードスケート選手。元サラリーマン。37歳。
辻村哲也：元暴走族メンバー。25歳。
井原さよ子：元看護士。事件の首謀者に最も近いと思われる人物。29歳。

その他

加藤：中央興業の人事部長
白木：国税局査察課の課長補佐
近藤哲：元調布税務署の職員
羽田：国税局査察課の課長
村上：パチンコ店「人生航路」の設計技師
松本：警備会社「中央警備保障」の社長
三田徹：「三田興業」の社長
浅野司郎：外科医

作品の特徴

頭脳戦: 本作は、犯人と探偵の知略を凝らした攻防に焦点が当てられています。
* 鉄道が登場しない: 西村京太郎作品としては珍しく、鉄道が一切登場しません。

テレビドラマ化

1991年3月26日にテレビ朝日『火曜ミステリー劇場』でドラマ化されています。

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