十王町

十王町の概要

十王町（じゅうおうまち）は、かつて茨城県北部の多賀郡に存在した町です。2004年1[[1月1日]]に日立市に編入され、その歴史に幕を閉じました。町の名前は、かつて存在した「十王堂」という仏堂に由来します。この仏堂は、閻魔大王をはじめとする十人の王を祀っており、地域住民の信仰の中心でした。

地理

十王町は、現在の日立市北部に位置していました。町の約66%を森林が占め、豊かな自然に恵まれていました。東側は太平洋に面しており、海岸線が続いていました。町内には十王川と小石川という二つの主要な河川が流れ、これらの河川流域には集落や耕地が形成されていました。地形的には多賀山地の一部に位置しており、起伏に富んだ地形が特徴でした。また、日本では珍しい鵜の捕獲地としても知られていました。

歴史

十王町の歴史は、1897年の川尻駅（現在の十王駅）の開業から始まりました。1955年には、櫛形村、黒前村、高萩市の友部が合併して十王村が発足。翌年の1956年には町制を施行し、十王町となりました。その後、交通安全宣言や町章の制定、町民の歌の決定など、町としての基盤が整備されました。1986年には、町制30周年を記念して町の花、木、鳥が制定され、町民憲章も定められました。2001年には非核平和の町宣言を行っています。

2003年には日立市との合併に向けた動きが始まり、合併検討懇話会や協議会が設置されました。2004年には合併協定が調印され、同年10月28日には閉町式典が行われ、1[[1月1日]]に日立市に編入されました。

行政と財政

十王町の最後の町長は和田浩一氏でした。平成15年度の当初予算は55億2150万円でした。財政力指数は1999年から2001年の平均で0.404でした。

経済

2000年の国勢調査によると、十王町の就業者数は6,324人でした。産業別の就業人口は、第一次産業が466人（7.4%）、第二次産業が2,813人（45.5%）、第三次産業が3,022人（47.8%）となっており、第二次、第三次産業が中心でした。分類不能は23人（0.4%）でした。

地域

十王町には、大字伊師、大字伊師本郷、大字黒坂、城の丘一丁目～五丁目、大字高原、大字友部、友部東一丁目～四丁目、大字山部といった地域がありました。これらの地域は、それぞれ独自の歴史や文化を持っていました。

教育

町内には、十王町立十王中学校、十王町立櫛形小学校、十王町立山部小学校、十王町立高原小学校がありました。これらの学校は、地域の子どもたちの教育を担っていました。

交通

鉄道は、JR常磐線が通っており、川尻駅と十王駅がありました（2004年3月13日に駅名改称）。道路は、国道6号、国道461号、茨城県道10号日立いわき線、茨城県道60号十王里美線、茨城県道230号高萩友部線、茨城県道297号十王停車場川尻線が通っていました。

金融機関

町内には、常陽銀行、ゆうちょ銀行、茨城県信用組合、茨城ひたち農業協同組合などの金融機関がありました。ATMは、セブン銀行やローソン銀行も利用できました。山部、黒坂、城の丘には金融機関やATMがありませんでした。

文化施設

十王町には、十王パノラマ公園、十王町中央公民館、十王町立図書館、十王町総合健康福祉センター ゆうゆう十王 多目的ホール（Jホール）、十王町総合運動広場、伊師町運動公園、十王町テニスコートなどの文化・スポーツ施設がありました。これらの施設は、地域住民の文化活動や健康増進に貢献していました。

名所・旧跡・観光スポット

十王町には、伊師浜海岸（白砂青松百選）、伊師浜海水浴場（日本の水浴場88選）、国民宿舎「鵜の岬」、鵜来来の湯十王、竪破山および太刀割石、いぶき山イブキ樹叢（国の天然記念物）などの観光スポットがありました。また、愛宕神社火伏祭（3月第2日曜日）や十王まつり（8月第1日曜日）などの祭事も行われていました。この他にも十王ダム、国立天文台 水沢VLBI観測所、十王前横穴墓群などがありました。

その他

市外局番は0293でした。十王町は、その豊かな自然と歴史、そして地域住民の温かい交流が息づく場所でしたが、日立市との合併により、新たな歴史を歩み始めています。

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