十腰内

十腰内（とこしない）

十腰内は、青森県弘前市に位置する大字です。郵便番号は036-1201。

地理

青森県道30号岩木山環状線と青森県道31号弘前鯵ケ沢線が交差し、青森県道132号十腰内陸奥森田停車場線が始まります。位置関係としては、北につがる市森田町床舞・鶴田町妙堂崎、北東に鶴田町廻堰、東に十面沢、南から西にかけて鰺ヶ沢町長平町、北西に鰺ヶ沢町建石町と隣接しています。かつては「遠寺円」とも表記されていました。

地名の由来

地名の由来には、興味深い伝承が残されています。その昔、鬼神太夫という剛力の刀鍛冶が十振りの刀を鍛え上げました。しかし、そのうちの一振りが飛び去り、杉の木に突き刺さってしまったため、里人たちはこれを神として崇め、残った九振りの刀から「十腰無い村」と呼ぶようになったという言い伝えがあります。また、別の説として、アイヌ語に由来する地名であるという説も存在します。

小字

十腰内には、猿沢、野中といった小字があります。

歴史

沿革

1889年（明治22年）4月1日 - 町村制の施行により裾野村の大字となりました。
1955年（昭和30年）3月1日 - 弘前市への市町村合併により、弘前市の大字となりました。

伝承

十腰内の地名には、刀鍛冶にまつわる伝承がいくつか存在します。「津軽俗説選」には、鬼神大夫という刀鍛冶が十振りの刀を鍛えたところ、一本が飛び去って戻ってこなかったため、「十腰無い」が地名の由来になったとする逸話が紹介されています。また、「日本伝説体系」には、大蛇が鍛冶屋の娘に惚れ、鬼神丸という若者に姿を変えて弟子入りしたものの、鍛冶屋に気づかれ、「九日で十振りの刀を鍛えれば娘をやる」と約束させられ、刀を完成させたものの、一本を隠されてしまい「十腰無い」ために立ち去るしかなかったという言い伝えが紹介されています。

世帯数と人口

2017年（平成29年）6月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：記載なし
人口：記載なし

施設

教育
十腰内保育所
商業
丸豊冷蔵庫
サンボランタリー十腰内店
農業
十腰内農業研修会館
公共
十腰内集会所
十腰内簡易郵便局

小・中学校の学区

弘前市立の小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなります（具体的な学区は省略）。

交通

弘南バスが運行しており、以下の路線が利用できます。

弘前 - 十腰内・鰺ヶ沢線（高杉・鬼沢経由）
弘前 - 十腰内線（三世寺経由）
鰺ヶ沢 - 聖愛高校線
十腰内 - 弘前駅線（楢の木・糠坪経由）

バス停：神社前、十腰内東口、十腰内、長前

参考文献

角川日本地名大辞典 2 青森県（角川書店）
朝里樹監修『日本怪異妖怪辞典』（笠間書院、2022年） ISBN 978-4-305-70959-2

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