千の刃濤、桃花染の皇姫

千の刃濤、桃花染の皇姫：魅力的なキャラクターと重厚な世界観が織りなす恋愛アドベンチャー

2016年9月23日、オーガストより発売された『千の刃濤、桃花染の皇姫』（略称：千桃）は、18禁恋愛アドベンチャーゲームです。オーガストブランド10作目にして、シリアスなファンタジー作品として高い評価を受けました。戦争という壮絶な舞台を背景に、流血表現や残酷描写も含まれますが、日常シーンの軽妙な描写も織り交ぜ、独特のバランス感覚が魅力です。

物語の舞台：皇国と共和国の衝突

物語は、オルブライト共和国（共和国）による豊葦原瑞籬内皇国（皇国）侵攻から始まります。首都天京の防壁が機能不全に陥り、皇国は敗戦。3年後、先代皇帝の娘にして正統な後継者である宮国朱璃は、復讐を果たすべく天京へ戻ります。そこで、記憶喪失の武人・鴇田宗仁、現在の皇帝・鴇田奏海、斎巫女の椎葉古杜音、地下組織「奉刀会」を率いる稲生滸、そして共和国の総督の娘エルザ・ヴァレンタインらと出会い、物語が展開していきます。

個性豊かなキャラクターたち

主人公の鴇田宗仁は、記憶喪失ながらも穏やかな学園生活を送る武人。ヒロインの宮国朱璃は、正体を隠して学院に通う皇女です。彼女は武人ではありませんが、呪装刀と呪装具「花あかり」によって戦闘能力を発揮します。

他に、傀儡ながらも皇国のために尽力する翡翠帝・鴇田奏海、明るく前向きな斎巫女・椎葉古杜音、奉刀会の会長代行として活動する傍らアイドルとしても活躍する稲生滸、そして正義感溢れるエルザなど、魅力的なキャラクターたちが物語を彩ります。

サブヒロインとして、皇国と共和国の両方の血を引く来嶌・マクスウェル・紫乃、奉刀会を脱退して小料理屋を営む更科睦美、奉刀会の隠密役で伊那家の生き残りである伊那子柚も登場し、それぞれの個性と葛藤が物語に深みを与えます。

システムと特徴

本作は、オーガスト作品として初めてタブレットPCへの正式対応を実現しました。タブレットモードでは、画面タップによる操作やフリックによるセーブ・ロード・スキップなどが可能となり、快適なプレイ環境が提供されています。また、メディア認証が不要となり、常時ディスクレスでのプレイも可能となりました。DVD版にはWindowsダウンロード版とAndroid版のプロダクトコードが付属し、オンラインセーブにも対応しており、複数のデバイス間でのデータ共有と並行プレイも可能です。

多彩な展開と高い評価

『千の刃濤、桃花染の皇姫』は、発売後高い人気を獲得し、2016年9月のGetchu.com売上ランキングで1位を獲得するなど、大きな成功を収めました。萌えゲーアワード2016では9月月間賞、金賞、グラフィック賞を受賞。美麗なグラフィックと重厚なシナリオが高く評価されました。

2019年にはファンディスク『千の刃濤、桃花染の皇姫 -花あかり-』が発売され、こちらも萌えゲーアワード2019で金賞とファンディスク賞を受賞しました。様々なプラットフォームへの移植も進み、PlayStation 4|PlayStation_4/PlayStation Vita版、Nintendo Switch版もリリースされ、幅広いユーザーに楽しまれています。

PS4/PS Vita版のレビューでは、緻密な世界観設定や力の入った演出が高く評価された一方で、個別ルートの短さなどが指摘されています。

関連商品

ゲーム本編以外にも、サウンドトラック、キャラクターソング、ビジュアルファンブックなどの関連商品が数多く発売されています。Android用の時計アプリやPS4/PS Vitaのテーマファイルなども配信されており、世界観を存分に楽しめるようになっています。

まとめ

『千の刃濤、桃花染の皇姫』は、魅力的なキャラクター、重厚なストーリー、美しいグラフィックが融合した、高い完成度を誇る恋愛アドベンチャーゲームです。戦争というシリアスなテーマと、萌えゲーとしての要素の絶妙なバランスが本作の魅力であり、多くのファンを魅了し続けています。

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