千乗郡

千乗郡（せんじょう-ぐん）

千乗郡は、中国にかつて存在した郡であり、前漢時代に現在の山東省の淄博市・浜州市・東営市にまたがる地域に設置されました。

概要

前漢の初期、この地域は斉国に属していました。紀元前110年（元封元年）に斉王劉閎が亡くなり、斉国が廃止されると、武帝は斉国を二分し、その一つが千乗郡となりました。もう一方は斉郡です。千乗郡は青州に属し、以下の15県を管轄していました。

千乗県
東鄒県
湿沃県
平安県
博昌県
蓼城県
建信県
狄県
琅槐県
楽安県
被陽県
高昌県
繁安県
高苑県
延郷県

『漢書』によると、前漢末期の千乗郡には11万6727戸、49万720人が居住していました。

王莽の時代には、千乗郡は建信郡と改称されました。

後漢が成立すると、郡名は再び千乗郡に戻されました。

後漢の初期には、千乗郡は張歩によって占拠されました。29年（建武5年）に張歩が後漢に降伏すると、千乗郡は後漢の統治下に入りました。60年（永平3年）に劉建が千乗王となると、千乗郡は千乗国に改められました。千乗国は以下の9県を管轄しました。

臨済県
千乗県
高苑県
楽安県
博昌県
蓼城県
利県
益県
寿光県

95年（永元7年）には、千乗国は楽安国と改称されました。

このように、千乗郡は時代によって名称や管轄地域、所属などが変化しました。前漢から後漢にかけて、その行政区分や政治的な役割が変遷したことがわかります。

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