千代の若秀則

千代の若秀則（ちよのわか ひでのり）は、1972年3月8日生まれ、兵庫県養父市出身の元大相撲力士です。本名は根岸秀則。九重部屋に所属していました。身長194cm、体重167kgという恵まれた体格を生かした力強い相撲が特徴で、得意手は左四つ、寄り、上手投げです。血液型はB型。

実家は青果店を営んでおり、幼少期は水泳に親しんでいました。養父市立養父中学校では卓球部に所属していましたが、相撲とは縁遠い生活を送っていました。しかし、現役時代の横綱・千代の富士が親の知人を通じてスカウトに訪れ、当初は入門に乗り気ではなかったものの、周囲の勧めもあり角界入りを決意しました。

1987年5月場所に初土俵を踏み、順調に番付を上げていきました。しかし、三段目と幕下でそれぞれ2年ほど苦戦し、昇進が停滞する時期もありました。1992年9月場所以降は幕下に定着し、1996年3月場所では西幕下9枚目で7戦全勝優勝を果たし、同年5月場所で新十両へと昇進しました。この昇進は決して早いとは言えませんでしたが、千代大海らと共に、叩き上げの関取として期待されました。

九重部屋での稽古は非常に厳しく、少しでも休むと親方から叱咤されていたそうです。当時の相撲部屋のドキュメンタリー番組では、千代の若が塩に自分の名前を書き、翌朝一番に稽古をする権利を得ようとする様子が放送されました。十両昇進後は、その猛稽古の成果を発揮したいところでしたが、なかなか勝ち星を伸ばすことができず、新十両の場所では5勝10敗と負け越し、幕下へ陥落してしまいました。その後、1場所で十両に復帰し、9月場所では9勝6敗と勝ち越しましたが、その後は再び負け越しが続き、1997年3月場所に幕下に陥落すると、そのまま十両に返り咲くことなく同年9月場所を最後に引退しました。

通算成績は229勝224敗13休、勝率は.506です。十両での成績は24勝36敗、勝率は.400と、幕下での活躍に比べるとやや不本意な結果に終わりました。現役在位は63場所、十両在位は4場所でした。幕下優勝は1回（1996年3月場所）です。

改名歴は、1987年5月場所から1991年1月場所までは本名の根岸秀則、1991年3月場所から引退までは千代の若秀則を名乗りました。

引退後は相撲界を離れ、その後の消息は明らかになっていませんが、その力強い相撲と努力は、ファンの記憶に深く刻まれています。

主な成績

通算成績：229勝224敗13休 勝率.506
十両成績：24勝36敗 勝率.400
現役在位：63場所
十両在位：4場所

各段優勝

幕下優勝：1回（1996年3月場所）

改名歴

根岸 秀則（ねぎし ひでのり）1987年5月場所 - 1991年1月場所
* 千代の若 秀則（ちよのわか - ） 1991年3月場所 - 1997年9月場所

もう一度検索