千光寺 (砺波市)

千光寺（せんこうじ）

千光寺は富山県砺波市の芹谷に位置する真言宗の寺院で、山号は芹谷山といいます。この寺院の創建は大宝3年（703年）に遡り、彌勒山安居寺と並び砺波地方でも最も古い寺とされ、特に浄土真宗が多数存在する富山県において真言宗の寺院は珍しい存在です。千光寺は越中真言の古刹として名高く、古くからの伝承や多くの寺宝を有していることで知られています。さらに、閻魔像が安置される寺としても広く認識されています。

由緒

千光寺は天竺（現在のインド）からやってきた僧法道円徳上人によって開基され、大宝3年に創建されたと伝えられています。歴史の中で、特に桓武天皇以降の7代にわたって皇室の勅願所としての役割を果たしてきました。上杉謙信の侵攻により一度焼失しましたが、元和4年（1618年）の火災で再び被害を受けました。その後、豊臣秀吉による越中平定の際に復興を命じられ、禁制朱印状が下されたことが記録されています。その後も加賀藩の祈祷所として、寺領が守られてきました。

法道仙人は伝説的な存在で、日本に渡来したとされています。法道が開基した寺院は北陸地方に多く存在し、千光寺のほかにも石動山や米山、氷見市の大栄寺などがその名を連ねます。

伽藍

千光寺にはさまざまな文化財や建築物があります。特に注目されるのは、文化財に指定されている山門です。これは寛政9年（1797年）に建てられたもので、富山県内で最古の二階二重門となっています。山門には仁王像が安置されており、これらの像は非常に精巧に作られています。また、観音堂や閻魔堂、客殿など、それぞれに歴史的な価値を持つ建物が点在しています。

千光寺の文化財

千光寺には数多くの貴重な文化財があります。特に「銅造観世音菩薩立像」や「絹本著色大威徳明王図」など、いずれも富山県の指定有形文化財として重要視されています。これらの財宝は歴史的な価値だけでなく、芸術的な価値も高く、訪れる人々にとって魅力的な要素となっています。

アクセスと周辺情報

千光寺へのアクセスも容易で、JR城端線の砺波駅からは市営バスを利用して2分程度で到着します。車での訪問も可能で、北陸自動車道・砺波ICから国道359号を通って15分ほどで到達できます。境内周辺には美しい自然が広がっており、蓮華谷や下大門など、散策が楽しいスポットも点在しています。

催事や企画展

毎年6月と9月には千光寺境内で「千光寺芹の市」が開催され、地元の新鮮な野菜やパンが販売されます。さらには、文化財を巡るガイドツアーや名物の「千光寺そば」を楽しむこともできます。また、過去には高岡市立博物館で特別展が開かれるなど、千光寺の文化財について広く知ってもらう機会も提供されています。

千光寺はその豊かな歴史と文化財、そして地域との結びつきを大切にしながら、訪れる人々に多くの驚きと感動を与える場所です。

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