千原光雄

千原光雄（ちはら みつお）は、1927年9月15日に生まれ、2016年8月17日に亡くなった、日本の藻類学者です。筑波大学の名誉教授であり、海藻研究の第一人者として知られています。

生涯

千葉県で生まれた千原光雄は、1952年に東京文理科大学生物学科を卒業しました。その後、東京教育大学下田臨海実験所で助手を務めました。1961年には、「日本産カギノリ科植物の生活環」に関する研究で東京教育大学から理学博士号を取得しました。

1964年からは国立科学博物館植物研究部に勤務し、1972年には東京教育大学の助教授、後に教授に就任しました。その後、筑波大学の教授となり、1991年に定年退官するまで教鞭を執りました。退官後は、筑波大学名誉教授の称号を授与されました。

教育者としての活動と並行して、研究活動も精力的に行い、多くの著作を発表しました。1991年から1998年まで日本赤十字看護大学の教授を務め、1998年から2003年までは千葉県立中央博物館の館長として、博物館運営にも貢献しました。

2016年、千原光雄は生涯を閉じました。その功績を称えられ、叙従四位、瑞宝中綬章が追贈されました。

業績

千原光雄は、特に海藻の分類、生態、生活史に関する研究で大きな業績をあげました。その研究成果は、日本の藻類学の発展に大きく貢献しました。また、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を育成し、日本の藻類学研究を牽引する人材を輩出しました。

著書

千原光雄は、多数の著書を執筆、監修しました。以下はその一部です。

『標準原色図鑑全集 第15巻 海藻 海浜植物』（保育社, 1970）
『海べの観察』（編, 保育社の少年写真文庫, 1957）
『学研中高生図鑑 12 海藻』（監修, 学習研究社, 1975）
『藻類研究法』（西沢一俊共編集, 共立出版, 1979）
『基礎からベスト基本問題集生物IB』（臼田浩一, 本橋晃共著, 学習研究社, 1997）
『基礎からベスト生物IB』（臼田浩一, 本橋晃共著, 学習研究社, 1997）
『藻類多様性の生物学』（編著, 内田老鶴圃, 1997）
『日本産海洋プランクトン検索図説』（村野正昭共編, 東海大学出版会, 1997）
『藻類の多様性と系統』（編, 裳華房, バイオディバーシティ・シリーズ, 1999）
『日本の海藻』（監修, 学習研究社, フィールドベスト図鑑, 2002）

翻訳

* A.R.O.チャプマン『海藻の生物学 細胞・個体・個体群・群落』（共訳, 共立出版, 1981）

これらの著書や論文を通じて、千原光雄は藻類学の知識を広め、多くの研究者に影響を与えました。

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