退官

退官とは

退官とは、官職を退くことを指す言葉です。具体的には、官吏、特に上級の国家公務員がその職を辞することを意味します。

歴史的背景

かつては、一般の公務員が職を辞する場合にも「退官」という言葉が用いられていました。しかし、現在の公務員法制では、退職や辞職という言葉が一般的になり、「退官」という言葉は特定の例外を除いて使われなくなりました。

現行法における「退官」

現在、「退官」の用語が用いられている主な法令と、該当する公務員は以下の通りです。

日本国憲法
第79条第5項：最高裁判所[[裁判官]]
第80条第1項：下級裁判所裁判官
裁判所法
第50条：裁判官の定年（上記憲法に基づいた規定）
検察庁法
第22条：検察官の定年
会計検査院法
第4条第3項：国会による任命の事後承認が得られなかった検査官の当然退官
第5条第3項：検査官の定年
第6条：国会の議決による検査官の退官
労働基準法
第105条：労働基準監督官の守秘義務（退官後も守秘義務があるという文脈で使われている）

これらの法令で「退官」という言葉が用いられているのは、これらの職務が特に重要であり、その退任が特別な意味を持つためと考えられます。

大学教員と「退官」

大学の教員、特に教授は、旧制度において「高等官」という官僚の一種として扱われていました。そのため、大学教員が退職することを「退官」と呼ぶ習慣が残っています。しかし、大学の法人化以降、教員の正式な職名は「文部科学教官」ではなくなりました。現在、教官という名称は、防衛大学校のような特定の省庁が管轄する学校の教員に用いられています。私立大学の教員の場合は、正式には「退職」または「退任」が用いられるべきです。

対義語と関連用語

退官の対義語は「任官」です。また、退官に関連する用語として「天下り」や「停年」があります。「停年」は退官の場合に用いられる言葉で、一般的な「定年」とは区別されます。

まとめ

退官は、特定の公務員がその職を辞することを指す言葉であり、その使われ方は歴史的背景や現在の法制度によって変化しています。現代では、裁判官、検察官、会計検査官など、特に重要な役割を担う公務員に対して用いられることが多いです。

関連情報

任官
天下り
停年

もう一度検索