千手寺 (東大阪市)

千手寺のご紹介

千手寺（せんじゅうじ）は、大阪府東大阪市に所在する真言宗系の寺院であり、特に真言毘盧舎那宗に属しています。また、河内西国霊場の第10番札所としても知られ、多くの信仰を集める場所です。

歴史的背景

千手寺の起源は、おおよそ平安時代にさかのぼります。寺伝によると、修行者の役行者が笠置山の千手窟で神秘的な修行を行っている最中に、神の導きを受けて千手観音に出会い、この地に堂宇を設立したとされています。

さらに、平安時代の初めには弘法大師がこの寺を訪れた際、夢に善女竜王が現れ、補陀落山の香木を授けてくれたという伝説があります。この香木を使って千手観音像を彫刻し、寺の本尊が誕生したとのことです。

その後、惟喬親王に関わる乱によって寺院の堂宇は破壊されました。しかし、本尊の千手観音は深野池に飛び込み、毎晩光を放つ現象が起こったといいます。この光景を目撃した在原業平が観音を救出し、寺の再建を果たしました。ただし、惟喬親王の乱に関する伝説は史実とは異なるため、あくまで物語の一部として受け取られています。

文化財の宝庫

千手寺は文化財にも恵まれており、大阪府指定文化財として以下のものが存在します。

• - 木造不動明王坐像（江戸時代 元禄15年 / 1702年）

また、東大阪市にも指定されている文化財があります。

• - 木造不動明王立像（厨子入）
• - 木造千手観音立像
• - 絹本著色不動明王画像
• - 密教法具

これらの文化財は寺院が古来から続く信仰と歴史を物語っており、訪れる人々に深い感銘を与えています。

札所としての役割

河内西国霊場の一角、すなわち第10番札所としての役割も、千手寺の重要な側面です。霊場巡りとして訪れる信者は、札所を巡ることで心を清めるとされています。

• - 9 光明寺
• - 10 千手寺
• - 11 来恩寺

この札所巡りは、信仰の場を超えて、大阪を訪れる観光客にも人気のあるコースとなっているのです。

アクセス

千手寺へのアクセスは至って便利です。近鉄奈良線の石切駅からは、徒歩わずか5分で到着します。また、近鉄けいはんな線の新石切駅からも徒歩20分ほどで訪れることができます。

まとめ

千手寺は、その深い歴史と多彩な文化財、霊場としての重要性により、訪れる価値のある場所です。信仰をもって訪れる人々にとって、心の癒しとなるスポットであり続けています。

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