千葉ともこ

千葉ともこは、1979年生まれの日本の小説家です。茨城県出身で、筑波大学人文・文化学群日本語・日本文化学類を卒業しました。大学卒業後の2002年に茨城県庁に入庁し、公務員として働く傍ら、山村正夫記念小説講座で小説の執筆を始めました。

2018年には「気霜の姿」でオール讀物新人賞の候補となり、その才能を高く評価されました。そして2020年、処女長編小説『震雷の人』で第27回松本清張賞を受賞し、小説家として華々しいデビューを飾りました。この作品は、中国の唐代に起きた安史の乱を題材とした歴史小説であり、その後の彼女の作品にも大きな影響を与えています。

千葉氏は、2022年に県庁職員を退職し、専業作家としての活動を開始しました。デビュー作である『震雷の人』、2作目の『戴天』と、立て続けに中国の歴史を舞台とした作品を発表し、その歴史に対する深い知識と独自の視点が高く評価されています。

特筆すべきは、大学での専攻が演劇史であったということです。中国史は全くの独学であるにもかかわらず、史実に基づいた重厚な歴史小説を書き上げる力量は驚くべきものです。綿密な取材と資料に基づいた筆致は、読者を作品世界へと引き込みます。彼女の作品は、史実を丁寧に扱いながらも、そこに生きる人々の感情や葛藤を鮮やかに描き出し、読者に深い感動を与えます。

受賞歴としては、2018年に『気霜の姿』で第98回オール讀物新人賞候補、2020年に『震雷の人』で第27回松本清張賞を受賞、2022年には『戴天』で第11回日本歴史時代作家協会賞（新人賞）を受賞しています。

主な作品には、『震雷の人』（文藝春秋、2020年）、『戴天』（文藝春秋、2022年）、『火輪の翼』（文藝春秋、2024年）などがあります。これらの作品は、いずれも歴史的な背景を緻密に描写し、登場人物の心理を深く掘り下げた重厚な作風が特徴です。

千葉ともこは、その独自の視点と卓越した筆力で、歴史小説界に新たな風を吹き込む作家として、今後の活躍が非常に期待されています。彼女の作品を通して、歴史の重みと、そこに生きた人々の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。


作品リスト

『震雷の人』文藝春秋 2020/9/17 ISBN 978-4163912554
『戴天』文藝春秋 2022/5/10 ISBN 978-4163915371
『火輪の翼』文藝春秋 2024/3/12

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千葉ともこ (@chiba_tomo) - X（旧Twitter）

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