松本清張賞

松本清張賞について

松本清張賞は、1992年に逝去した作家・松本清張の偉大な業績を記念して、1993年に創設された公募形式の文学賞です。公益財団法人日本文学振興会が主催し、文藝春秋が運営を行っています。この賞は、当初は推理小説や歴史・時代小説を対象としていましたが、第11回以降はジャンルを問わない、質の高い長編エンターテインメント小説を対象としています。

賞の概要

選考会は毎年4月に開催され、受賞作品は『オール讀物』6月号で発表されます。贈呈式は6月に行われ、受賞者には正賞として記念の時計、副賞として500万円が授与されます。受賞作品は、文藝春秋から単行本として刊行されます。

創設当初から2007年までは『文藝春秋』7月号で受賞作が発表されていましたが、現在は『オール讀物』での発表に変わっています。

募集作品の変遷

松本清張賞は、その歴史の中で対象となる作品のジャンルや形式を変化させてきました。

第1回から第5回（1994年～1998年）: 短編小説（推理小説または歴史・時代小説）を募集していました。この時期の受賞作は、受賞作を収録した短編集として刊行されています。
第6回から第10回（1999年～2003年）: 長編小説（推理小説または歴史・時代小説）を対象としていました。
第11回（2004年）以降: 長編エンターテインメント小説を対象としており、ジャンルは問われなくなりました。これにより、より幅広い作品が選考の対象となっています。

受賞作一覧

受賞作品は、特記がない限り文藝春秋から刊行され、文春文庫から文庫版が刊行されています。

選考委員

松本清張賞の選考は、著名な作家や評論家によって行われています。選考委員は時代によって異なり、文学界の動向を反映した人選がなされています。

以下は、各回の選考委員の一覧です。

第1回: 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、津本陽、藤沢周平
第2回: 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、津本陽
第3回 - 第5回: 阿刀田高、井上ひさし、佐野洋、高橋克彦、津本陽
第6回 - 第10回: 長部日出雄、佐野洋、白石一郎、高橋克彦、夏樹静子
第11回 - 第14回: 浅田次郎、伊集院静、大沢在昌、宮部みゆき、夢枕獏
第15回: 伊集院静、大沢在昌、桐野夏生、宮部みゆき、夢枕獏
第16回 - 第18回: 伊集院静、大沢在昌、桐野夏生、小池真理子、夢枕獏
第19回 - 第20回: 石田衣良、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、山本兼一
第21回: 石田衣良、北村薫、小池真理子、桜庭一樹、葉室麟
第22回: 石田衣良、角田光代、北村薫、桜庭一樹、葉室麟
第23回: 石田衣良、角田光代、桜庭一樹、葉室麟、三浦しをん
第24回: 石田衣良、角田光代、中島京子、葉室麟、三浦しをん
第25回 - 第26回: 角田光代、京極夏彦、中島京子、東山彰良、三浦しをん
第27回: 京極夏彦、辻村深月、中島京子、東山彰良、三浦しをん
第28回: 京極夏彦、辻村深月、中島京子、東山彰良、森絵都
第29回: 京極夏彦、辻村深月、東山彰良、森絵都、森見登美彦
第30回 - 第31回: 阿部智里、辻村深月、森絵都、森見登美彦、米澤穂信

外部リンク

松本清張賞 公式サイト : 最新情報はこちらで確認できます。
ぶん子さん@松本清張賞公式 Twitter : 公式Twitterアカウント


松本清張賞は、エンターテインメント小説の新たな才能を発掘し、文学界に貢献しています。その歴史と変遷は、日本の文学シーンを語る上で重要な要素となっています。

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