千葉匠

千葉 匠（ちば たくみ）

自動車評論家およびデザインジャーナリストとして著名な千葉 匠（ちば たくみ）氏は、1954年に東京都に生まれました。本名は有元 正存（ありもと まさつぐ）です。自動車の機能や性能に加え、デザインが持つ技術的・文化的側面を深く探求する独自の視点で、日本の自動車ジャーナリズム界において重要な位置を占めています。

経歴

そのキャリアは、自動車とデザインへの強い関心から始まりました。千葉大学工学部で工業意匠学科を専攻し、デザインの専門知識を習得。学生時代には自動車部に所属し、実践的な知見も深めました。卒業後、日産ディーゼル株式会社（当時）に入社し、デザイナーとして自動車開発の現場を経験。この時期には、日産自動車からの出向者である前澤義雄氏を上司として仰ぎました。

デザイナー経験の後、自動車専門誌の世界へ転身。著名な自動車デザイン専門誌『CAR STYLING』の編集次長として、ジャーナリストとしての基礎を築き、業界の知見を広げました。1988年、長年の経験と知識を基に、フリーランスの自動車評論家として独立。以降、評論とデザインジャーナリズムを活動の二本柱としています。

主な活動内容

フリーランスとして独立して以来、千葉 匠氏は精力的に活動しています。特に、世界各国の主要なモーターショーに足を運び、最新の自動車デザインや技術、業界トレンドを現地で取材することを重視。また、数多くの著名なカーデザイナーにインタビューを行い、彼らの哲学や創作の背景にあるストーリーを掘り起こしています。これらの取材活動は、様々な自動車専門誌やデザイン関連誌にコラムや解説記事として寄稿され、読者に深い洞察を提供しています。

業界内での信頼は厚く、日本自動車ジャーナリスト協会（AJAJ）の理事を務めるほか、自身が主宰する「オフィス・デプロス」を拠点に執筆活動やコンサルティングを行っています。

選考委員・審査員としての貢献

千葉氏は、自動車およびデザイン分野の専門家として、数多くの権威ある賞の選考委員や審査員を務めています。これは彼の多角的な視点と深い専門知識が高く評価されている証です。

• - 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
• - 世界・カー・オブ・ザ・イヤー日本代表審査員
• - 経済産業省選定グッドデザイン賞審査委員
• - オートカラーアウォード審査委員（一般財団法人日本ファッション協会・流行色情報センター主催）
• - カーデザイン大賞審査委員（CAR STYLING主催）

これらの活動を通じて、優れた自動車やデザインを広く社会に推奨し、業界全体の発展とデザインリテラシーの向上に貢献しています。特に、自動車とデザインの両面から主要な賞に関わる人物は稀有な存在と言えます。

主な寄稿媒体

千葉氏の知見は、様々な自動車関連誌で発表されています。主な寄稿媒体は以下の通りです。

• - 『モーターファン別冊 ニューモデル速報』（三栄書房）：特にデザインインタビュー企画では、藤本彰氏とともにインタビュアーとして、最新モデルのデザイントークを展開しています。
• - 『CAR STYLING』（カースタイリング出版）：かつて編集に携わった専門誌。
• - 『driver』（八重洲出版）：自動車技術、デザイン、文化など幅広いテーマを扱います。
• - 『CAR and DRIVER』（シティ・パブリケーション/ダイヤモンド社）：国内外の最新モデルやデザイントレンドを紹介。

特に、『driver』誌での連載「カーデザインOld&New」は、カーデザインの歴史を深く掘り下げた人気企画でした。

千葉 匠氏は、デザイナー、編集者、フリーランスジャーナリストとしての経験を統合し、自動車という存在を多角的に捉え、その魅力を深く伝える活動を続けています。彼の分析と解説は、多くの自動車愛好家やデザインに関心を持つ人々にとって、常に新たな発見をもたらす貴重な情報源となっています。

もう一度検索