千葉市立稲毛高等学校・附属中学校

千葉市立稲毛高等学校・附属中学校・国際中等教育学校

千葉県千葉市美浜区に位置する公立の中学校・高等学校です。併設型の中高一貫教育を提供しており、現在は中等教育学校への移行が進められています。

学校の通称は「稲毛」や「市稲」が共通して用いられ、高等学校は「稲高」、附属中学校は「稲附」と呼ばれていましたが、中等教育学校への移行後は「稲国」という呼び名も使われています。2024年の春には、附属中学校の卒業生が高校課程に進学したため、附属中学校としての新規募集は停止され、現在の中学生は全員が稲毛国際中等教育学校の生徒として完全中高一貫教育を受けています。

概要

千葉市立の高等学校としては、千葉市立千葉高等学校に次いで二番目に開設されました。全日制課程が設けられており、創立当初からの普通科に加え、1990年には千葉県内で初めての国際教養科が設置されています。2007年には公立高校として県内で初めて附属中学校が開校し、併設型中高一貫校としての歴史が始まりました。

本校は特に英語教育と国際理解教育に力を入れており、アメリカやカナダなど海外の教育機関との積極的な交流が行われています。かつては2003年から6年間にわたり、文部科学省からスーパーイングリッシュランゲージハイスクール（SELHi）の指定を受け、先進的な英語教育の研究開発に取り組んでいました。

2022年度からは、千葉市立稲毛国際中等教育学校（仮称：千葉市立稲毛中等教育学校として発表）として中等教育学校への段階的な移行が開始されました。この移行は2027年度の完了を目指しており、それに伴い、高等学校としての生徒募集は2024年度入学生をもって終了し、2025年度以降は高校からの新規入学は行われなくなります。

卒業生が執筆したライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』に登場する千葉市立総武高校のモデルとされており、またテレビアニメ化された『あっちこっち』でも、猫毛高等学校として本校をモデルにしたと思われる学校が登場しています。

沿革

1978年：4月1日、千葉市立第二高等学校（仮称）開設準備室発足。5月29日、校舎建設工事の開始日をもって創立記念日とする。11月、千葉市立稲毛高等学校の校名が決定し、12月に設置が認可される。
1979年：4月17日、開校式および第1回入学式を挙行。
1980年：3月12日、校歌を制定。
1990年：4月1日、国際教養科を設置。
2003年：文部科学省よりSELHiに指定される（2006年再指定、計6年間）。
2007年：4月9日、附属中学校が開校し、第1回入学式を挙行。
2022年：4月、千葉市立稲毛国際中等教育学校が開校し、中等教育学校への移行が始まる。
2024年：この年度の入学者選抜をもって、高等学校の募集を停止予定。
2027年：4月、中等教育学校への移行が完了する予定。

基礎情報

通学区域

高等学校普通科：千葉市域
高等学校国際教養科：千葉県全域
附属中学校：千葉市域

アクセス

JR京葉線 稲毛海岸駅より徒歩約15分
千葉海浜交通バス「稲毛高校」停留所

象徴

校訓

「真摯・明朗・高潔」を校訓とし、校歌の歌詞に盛り込まれているほか、生徒通用門にはレリーフとして刻まれています。第二特別教室棟には英語版のレリーフも設置されています。

校章

校章は千葉市の市章である「月星」を基盤とし、稲毛の浜を象徴する「波頭」と、稲毛台地の「松」をイメージしたデザインが組み合わされています。中心には高等学校は「髙」、附属中学校は「中」の文字が配されていました。

学校行事

高校

主な行事として、4月の入学式と学年別校外学習（1年生横浜、2年生鎌倉、3年生東京方面）、かつて梅雨時期に行われていた陸上競技大会（現在は廃止され秋に体育祭に変更）、7月上旬の一般公開も行う飛翔祭（文化祭）、2年生普通科希望者を対象とした8月の海外語学研修（外進生）および10月の海外語学研修（内進生・オーストラリア）や国際教養科の海外語学研修（アメリカ・カナダ）、2年生普通科外進生向けの10月修学旅行（関西方面）、12月の異文化理解講座や英語合宿（1年生）、2月のマラソン大会（稲毛海浜公園）、3月の卒業式などがあります。

中学校

中学校では、4月の入学式とスタートアップセミナー（1年生・1泊2日）、6月の職場体験（2年生）、7月の飛翔祭と部活動壮行会、10月の自然教室（2年生）や修学旅行（3年生・関西方面）、1月の百人一首大会、2月のマラソン大会、3月の予餞会と卒業式などが行われます。

学校施設

校舎はかつて船を模して設計されましたが、その後の改修により元の形状から変化が見られます。施設には、4万冊を超える蔵書を持つ図書館、合宿等に利用される朋友館、英語の授業専用の第二特別教室棟などがあります。また、2009年公開の映画『20世紀少年 第2章 最後の希望』では、主人公が通う学校のロケ地として使用されました。

現在、2023年12月より大規模な校舎改修工事が実施されており、高校生はグラウンドに設置された仮設校舎で、中学生は旧高洲第二中学校の校舎を利用して授業を行っています。この改修工事は2024年12月に終了する予定です。

部活動

多くの文化系部活動は、高等学校と合同で活動しています。

関係者

同窓会組織があり、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しています。

著名な卒業生（一部抜粋）

経済：垣本祐作（ドットライングループ代表）、武井信也（MARSFLAG代表）
文芸：宮田健吾（演出家・脚本家）、矢板明夫（産経新聞記者）、渡航（ライトノベル作家）
芸能：入山杏奈（女優）、小島よしお（お笑いタレント）、つの丸（漫画家） 他
スポーツ：吉田良平（元ラグビー選手）

関連事項

千葉県高等学校一覧
千葉県中学校一覧
日本の英語科設置高等学校一覧

外部リンク

千葉市立稲毛高等学校・附属中学校・国際中等教育学校 公式サイト
* 千葉市立稲毛高等学校同窓会 公式サイト

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