千葉県がんセンター

千葉県がんセンター：地域がん医療の中核を担う医療機関

千葉県がんセンターは、千葉県千葉市中央区に位置する、県が運営するがん医療と研究を両輪とする重要な医療機関です。がん診療連携拠点病院として指定されており、千葉県におけるがん対策の中心的役割を担っています。高度な医療技術と充実した設備、そして活発な研究活動を通じて、地域住民のがん医療を支える中心的な存在となっています。

診療と研究の連携：高度な医療の提供

センターは、複数の診療科と部門、そして研究所から構成されています。診療科は、がんの種類や部位、治療法などに基づいて細分化されており、患者一人ひとりのニーズに合わせた包括的な医療を提供しています。内科、外科、放射線科など主要な診療科に加え、漢方医学、精神腫瘍学、緩和ケア、リハビリテーションといった専門分野にも対応することで、患者さんの身体的、精神的、社会的な側面を包括的にケアすることを目指しています。

診療部門と研究所は密接に連携し、最新の知見に基づいた高度な診断と治療を実現しています。国立がん研究センターなど他機関とのコンピュータネットワークによる連携も強化しており、常に最新の医療情報を共有することで、治療レベルの向上に努めています。研究所では、創薬研究や発がんメカニズムの解明、血液検査を用いた早期発見技術の開発など、最先端のがん研究に取り組んでいます。これらの研究成果は、臨床現場における診療の質向上に直結しています。

センターの歴史と取り組み

1972年の開設以来、千葉県がんセンターは地域のがん医療の向上に貢献してきました。幾度かの増改築を経て、施設の充実を図ってきました。2003年には緩和医療センターを開設し、患者さんのQOL（生活の質）向上にも力を入れています。しかし、2008年から2014年にかけて発生した腹腔鏡手術における医療事故の問題は、センターにとって大きな反省材料となりました。第三者検証委員会の報告を受け、センターは医療安全体制の強化に尽力し、再発防止策を徹底しています。その後、都道府県がん診療連携拠点病院の指定更新に一度は失敗したものの、再指定を受け、改めてその役割を果たしています。

病床数とアクセス

センターの病床数は341床で、一般病床の他に集中治療室（ICU）、RI室、無菌室などを備えています。交通アクセスは、JR千葉駅またはJR蘇我駅からバスでアクセス可能です。

社会貢献への取り組み

千葉県がんセンターは、医療提供だけでなく、地域社会への貢献にも積極的に取り組んでいます。様々な啓発活動や地域連携を通して、がんに関する正しい知識の普及、早期発見・早期治療の促進に努めています。

今後の展望

千葉県がんセンターは、今後も地域のがん医療の中核を担う医療機関として、最先端の医療技術と研究成果を活かし、患者さんにとってより質の高い医療を提供することに尽力していくことでしょう。医療安全の確保と、地域社会との連携強化を継続し、がんのない社会の実現を目指していくことが期待されます。

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