千葉県文書館

千葉県文書館について

千葉県文書館は、千葉県が設置する公文書館で、県庁の近くに位置しています。1988年6月15日に開館し、公文書、古文書、その他歴史的な資料を収集・保存し、一般に公開しています。文書館は、これらの資料の散逸や消失を防ぎ、後世に継承することを目的としています。

概要

文書館は、千葉県民の郷土に対する理解を深め、県の行政に関する情報を県民に提供することで、県政への関心を高め、県民の利便性に資することを目的としています。館内には、行政資料販売コーナーや展示室があり、常設展や企画展を通じて、収蔵資料を公開しています。

開館時間

月曜日から土曜日：午前9時から午後5時まで（1階行政資料販売コーナーは午後4時30分まで）

休館日

日曜日、祝日
年末年始（12月29日から1月3日）
館内整理日（毎月末、月末が土曜日または日曜日の場合は、その月の最も近い平日）
特別整理期間（春と秋にそれぞれ10日間程度）

アクセス

千葉都市モノレール1号線「県庁前駅」から徒歩3分
JR外房線・内房線「本千葉駅」から徒歩10分
京成千葉線・千原線「千葉中央駅」から徒歩10分
JR千葉駅から徒歩20分
バス停「県庁前」下車、徒歩3分

収蔵資料

文書館には、以下のような多様な資料が収蔵されています。

古文書
千葉県内から寄贈または寄託された古文書で、2019年3月末時点で約539,000点が所蔵され、うち約318,000点が公開されています。また、館外にある貴重な史料はマイクロフィルム化して所蔵しています。
県史収集複製資料
千葉県史編さん事業のために収集された複製資料群で、2019年3月末時点で約166,000点が公開されています。
千葉県の公文書
県の各機関が作成した行政文書のうち、歴史的公文書として文書館に移管されたものです。『千葉県神社明細帳』、『千葉県寺院明細帳』、『旧源村役場文書』、『耕地課文書』などが含まれます。
行政資料・公表情報
県が発行した行政資料（計画書、統計資料、報告書、ポスター、パンフレット、公表資料など）や、国、他の地方公共団体が作成した印刷物などが約102,000件所蔵されています（2018年3月末時点）。
点字資料等
映像資料
千葉県の広報映画などが所蔵されています。

沿革

開館まで

1950年に千葉県は県史編纂事業を企画し、史料編『千葉県史料』の編纂を開始しました。1966年には、今後の編纂計画に関する諮問が行われ、「史料の収集、整理、保管のために機関設置の必要がある」と答申されました。これが千葉県文書館設立の発端となりました。

1972年には文書保存施設建設のための調査費が計上され、「千葉県総合文書資料館建設調査委員会」が発足しました。1973年には「千葉県立文書館基本構想」が決済され、委員会名称が「千葉県立文書館建設調査委員会」に変更されました。建築用地は千葉市都町に内定しましたが、石油ショックの影響で事業は一時中断されました。

1983年に文書館設置の再検討が求められ、建設予定地は旧千葉中央警察署跡地に変更されました。1984年には「文書館基本計画」が決定し、呼称が「文書館」と決定されました。設計者選定ではプロポーザル方式が初めて導入され、1988年6月15日に公文書館法施行後最初に開館した公文書館となりました。

開館後

1991年には新しい千葉県史の編纂が開始され、1995年から刊行が開始されました。2015年には宮内庁宮内公文書館と初の共催展を開催しました。

しかし、2016年には収蔵する公文書を大量に破棄していたことが発覚し、後に破棄対象でない公文書を誤って破棄していたことが判明しました。この問題を受け、2017年には千葉県と文書館が公式に謝罪し、再発防止策として2018年に「歴史公文書判定アドバイザー制度」を導入しました。

2017年には利用者数が100万人を突破し、2019年には県立図書館との複合施設化計画が発表されました。

収蔵公文書破棄問題

2016年、文書館の収蔵資料が大幅に減少していることが明らかになりました。調査の結果、2015年度中に13,039冊の公文書が減少し、うち10,177冊が破棄、2,862冊が県政策法務課の書庫に移管されていたことが判明しました。

公文書等の管理に関する法律の施行に伴い、保存期間が最長30年となり、保存期間を過ぎた文書は再評価・選別されることになったのですが、このルールがすでに文書館に収蔵されていた公文書にも遡及適用されたため、多数の破棄文書が生じました。さらに、選別が適切に行われていない実態も明らかになり、歴史的に重要な文書が誤って破棄されていたことが判明しました。

この問題に対し、アーカイブズ学関係者から県に対し要望書が提出され、懇談会が開かれました。その結果、専門職員が不在の中での評価・選別が行われていたことや、文書館長が破棄の事実を把握していなかったことなど、ずさんな実態が明らかとなりました。

県は公式に謝罪し、再発防止のためマニュアル作成や制度整備を進め、2018年には史料選別の第三者チェックとして「歴史公文書判定アドバイザー制度」を導入しました。

まとめ

千葉県文書館は、千葉県の歴史と文化を伝える重要な施設です。県民の歴史理解を深めるとともに、県政に関する情報提供を行う役割を担っています。過去の公文書破棄問題を踏まえ、今後は適切な管理と資料の活用が期待されています。

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