千葉県立千葉商業高等学校

千葉県立千葉商業高等学校（ちばけんりつちばしょうぎょうこうとうがっこう）は、千葉県千葉市中央区松波に位置する公立の商業高校です。親しみを込めて「千葉商（ちばしょう）」と呼ばれています。

学校の歩み

本校の創設は1901年（明治34年）5月28日、千葉町立千葉商工補習学校として設立が認められたことに始まります。同年9月2日には千葉郡千葉町大日寺の敷地内で開校しました。その後、1903年（明治36年）に新町松原へ、1917年（大正6年）には千葉寺町へと校舎を移転しています。校名も時代と共に変遷し、千葉町立千葉商業補習学校、千葉市立千葉商業補習学校を経て、1923年（大正12年）4月4日には千葉県千葉商業学校へと組織・名称が変更されました。この年の4月20日に行われた開校式の日が、後の創立記念日と定められています。

関東大震災後の混乱の中、一時的に千葉尋常高等小学校（現在の寒川小学校）へ仮移転しましたが、1924年（大正13年）には新寒川校舎が完成し移転しました。1929年（昭和4年）には5年制の甲種商業学校に昇格し、1935年（昭和10年）には現在の所在地である松波に校舎が落成します。

戦時下の1944年（昭和19年）には、社会情勢を反映して千葉市立航空工業学校へと一時的に改称されましたが、終戦後の1946年（昭和21年）には再び千葉県千葉商業学校の名称に戻されました。学制改革を経て、1948年（昭和23年）には千葉市立商業高等学校となり、新制高校としての歩みを始めます。1950年（昭和25年）4月1日には千葉県へ移管され、現在の校名である千葉県立千葉商業高等学校となりました。1952年（昭和27年）には定時制課程が設置され、学びの機会がさらに広がりました。

2000年（平成12年）からの数年間、松波校舎の全面改築に伴い美浜区の仮校舎へ一時移転しましたが、2004年（平成16年）1月13日には松波の地に新校舎が完成し、再び戻ってきました。この間、学科の改編も行われ、商業教育の質の向上と多様化が図られています。

学科と教育内容

本校には全日制課程と定時制課程があります。全日制課程では商業科と情報処理科が設置されています。商業科には流通ビジネス、会計ビジネス、経営情報の3コース、情報処理科には情報ビジネス、情報システム、情報αの3コースが設けられており、専門的な知識と技術を深く学ぶことができます。

全日制の大きな特徴として、入学段階では学科の区別がなく、1年次に基礎を幅広く学びます。そして2学年へ進級する際に、生徒自身の適性や将来の希望に合わせて学科・コースを選択します。これにより、生徒一人ひとりがより自分に合った専門分野を見つけて学ぶことが可能です。

定時制課程は単位制の商業科として運営されており、働きながら学ぶ生徒など、多様な学習スタイルに対応しています。

商業教育への取り組み

本校は商業教育の質の高さに定評があります。特に簿記部の活動は盛んで、高度な内容に取り組んでおり、2015年には税理士試験の科目試験合格者を輩出するなど、その成果を上げています。

部活動

部活動も活発で、運動部・文化部ともに多くの生徒が参加しています。硬式野球部は特に全国的な実績があり、夏の甲子園には7回、春の選抜には1回出場し、1970年（昭和45年）の春の選抜ではベスト8に進出するなどの輝かしい成績を残しています。

アクセス

学校は、JR総武線の西千葉駅および千葉駅、京成千葉線の西登戸駅、千葉都市モノレールの作草部駅からいずれも徒歩10分程度という、通学に大変便利な場所に位置しています。

著名な卒業生

千葉商からは、様々な分野で活躍する多くの人材が巣立っています。野球界をはじめ、芸能界からはNanami氏、加養浩幸氏、西脇美智子氏、木原和人氏、加門亮氏などがいます。また、新体操選手の二関亜由美氏、横地愛氏、バスケットボール選手の橋本きみ子氏、栃偉山弘行氏（のちに大相撲の十両力士）、競輪選手の田畑茉利名氏なども卒業生です。また、特定失踪者である古川了子氏も本校の卒業生です。

千葉県立千葉商業高等学校は、100年以上の歴史と伝統を基盤に、常に時代の変化に対応した質の高い商業教育を提供し、地域社会に貢献する多くの卒業生を送り出しています。

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