千葉県野球場

千葉県野球場について

千葉県野球場は、千葉県千葉市稲毛区にある千葉県総合スポーツセンター内に位置する野球場です。通称は「県営天台球場」として親しまれています。施設は千葉県が所有しており、指定管理者として千葉県スポーツ協会・まちづくり公社グループが運営・管理を行っています。

歴史

この野球場は、1973年に千葉県で開催された第28回国民体育大会（千葉若潮国体）に合わせて整備された総合スポーツセンター内に、1968年7月に完成しました。1990年代中盤までは、夏の甲子園千葉大会のメインスタジアムとして使用されていましたが、その後、千葉マリンスタジアム（現：ZOZOマリンスタジアム）が準々決勝以上の試合会場となり、千葉県内の中心的な役割は同球場に移りました。しかし、千葉マリンスタジアムのスケジュールがプロ野球の公式戦を優先するため、夏の高校野球大会では、千葉マリンスタジアムが改装中だった2019年と、中止となった2020年を除き、例年準々決勝まではこの県営天台球場が中心となって使用されています。また、社会人野球の千葉県予選や南関東地区予選、千葉県大学野球連盟の公式戦などでも年間を通して使用されており、アマチュア野球にとって重要な球場となっています。

2018年8月から2019年度にかけて、耐震・大規模改修工事が行われました。内野席はベンチ席から個別席に変わり、外野の拡張、スコアボードが磁気反転式からLED化されるなど、施設が大幅にアップデートされました。当初、照明設備の設置は、近隣住民やモノレールへの影響を考慮し見送られましたが、2020年に6基の照明塔の設置が決まり、2022年4月から使用が開始されました。照明塔は、光害のリスクが少ないLEDタイプを採用しており、設置にあたっては周辺住民への説明会を重ね、理解を得る努力がなされました。

プロ野球との関わり

かつてはプロ野球の試合も開催されており、毎年3月にはロッテオリオンズ（現：千葉ロッテマリーンズ）やヤクルトスワローズなどがオープン戦を行っていました。1977年には、大洋ホエールズ（現：横浜DeNAベイスターズ）が公式戦を開催したこともあります。千葉マリンスタジアムの開場以降、プロ野球の試合は同球場での開催が中心となりました。

主なエピソード

ロッテは、1972年に東京スタジアムが閉鎖された後、一時的に宮城球場（現：楽天モバイルパーク宮城）を本拠地としていました。その後、首都圏への本拠地回帰を模索した際に、この県営天台球場が候補として挙がりました。1978年に川崎球場を本拠地とした後も、同球場の老朽化などを理由に移転を考え、この際にも県営天台球場が候補となりました。しかし、夜間照明設備がないことや収容人員が30,000人に満たないこと、当時はモノレールが開通していなかったためアクセスに難があったことなどが問題となり、いずれも実現には至りませんでした。1990年に海浜幕張地区に千葉マリンスタジアムが完成したことで、ロッテの千葉市への本拠地誘致が実現しました。

1983年には、第12回日米大学野球選手権大会の1試合がこの球場で行われ、テレビ朝日の制作で全国中継されました。

2005年には、NPO千葉ふれあい野球連盟が主催する「プロ野球選手ふれあいチャリティー野球大会」にて、ロッテの選手たちが参加し、初芝清の引退試合が行われました。この試合で、初芝は選手兼監督として、三塁手だけでなく二塁手や中堅手、さらには投手としてもマウンドに上がり、ファンを沸かせました。

2011年の東日本大震災では、球場の一部が破損しましたが、同年8月には使用制限が解除されています。

漫画家の江口寿史のデビュー作『すすめ!!パイレーツ』に登場する架空のプロ野球チーム「千葉パイレーツ」の本拠地「千葉球場」のモデルという説がありますが、作者はこれを明言していません。

また、こせきこうじの漫画『県立海空高校野球部員山下たろーくん』に登場する県大会の球場のモデルになっていることを、作者が明言しています。

施設概要

• - 敷地面積：23,400m2
• - 両翼：98m、中堅：122m
• - 内野：土、外野：天然芝
• - 収容人員：27,000人（内野：椅子・ベンチ、外野：芝生）
• - スコアボード：LED、風向・風速表示付き、ボールカウントはBSO表示
• - 照明設備：6基、LED

アクセス

• - 千葉都市モノレール2号線スポーツセンター駅下車後、徒歩約3分
• - JR稲毛駅から京成バスに乗車、「モノレールスポーツセンター駅」停留所下車後、徒歩約5分

千葉県野球場は、長年にわたり、千葉県のアマチュア野球を支えてきた重要な野球場です。

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