千葉都市モノレール1000形電車

千葉都市モノレール1000形電車は、1988年の開業時から活躍している懸垂式モノレール車両です。三菱重工業によって製造され、路線の延伸とともに増備され、計20編成40両が製造されました。湘南モノレール400形電車をベースに設計されています。

車体

車体はアルミニウム軽合金製で、不燃化構造となっています。外観はシルバーを基調とし、コバルトブルーとスカイブルーのラインカラーが配されています。2次車以降は、車体表面に銀色の塗装が施されるようになりました。2017年からは、省力化のため塗装を行わず、銀色のラッピング（ブルーラインはカッティングシート）が採用されています。

3次車以降では、前面の行先表示器が字幕式からLED式に変更され、側面にもLED式の行先表示器が新たに設置されました。また、2編成を連結して4両編成で運行するための電気連結器が搭載されています。客用ドアは両開き式で、1車両あたり片側2箇所に設けられています。4次車（第18 - 20編成）には、ヘッドマーク取り付け対応改造が施されています。

車内

内装材は、天井板を除いてFRPで構成されています。座席は全席モケット張りのロングシートで、網棚は設置されていません。冷暖房が完備されており、1・2次車と3・4次車では、冷房の吹き出し口の数が異なっています。4次車には車椅子スペースが設けられ、2・3次車にも改造により設置されました。

各車両の連結面には貫通扉が設置されていますが、急カーブ区間走行中の通行は危険なため、扉には「非常の場合以外はとおらないで下さい」「Emergency Only」のプレートが貼付されています。これにより、非常時以外は先頭車と後尾車を往来しないよう案内されています。空調装置は、能力26.74 kW（23,000 kcal/h）の集中式が天井に1台搭載されています。

走行機器

走行機器は、電動カム軸式主制御器による抵抗制御・弱め界磁制御を採用しています。ブレーキ装置は、発電ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキで、保安ブレーキと駐車ブレーキを備えています。基礎ブレーキは、空気圧をオイルコンバータで油圧に変換する空油変換式ディスクブレーキです。補助電源装置は、50 kVA定格容量を有する静止形インバータ（SIV）で、三相交流440Vを出力します。

沿革

1988年 - 千葉都市モノレール2号線一次開業にあわせ、1次車8編成を導入し営業運転を開始。
1991年 - 二次開業にあわせ、2次車4編成を導入し営業運転を開始。
1993年 - 千葉都市モノレール1号線一次開業にさきだち、3次車5編成を導入し営業運転を開始。
1999年 - 現行線全線開業にあわせ、4次車3編成を導入し営業運転を開始。
2007年 - ダイヤ修正により必要編成数が削減、1次車のうち余剰となった編成を順次廃車。
2012年 - 2015年 - 新型車両0形5次車4編成の営業運転開始により、この年までに1次車が全廃。
2019年 - 2020年 - 0形6次車4編成の営業運転開始により、2次車が全廃。
3 - 4次車については更新工事により改正省令に適合させたうえで運用が続いているが、2022年より順次0形に置き換え、2028年までに全編成が運用を終了する予定であることが発表されている。

運用

通常は2両固定編成で運行されていますが、中間電動車2両を増結して4両編成にできるよう設計されています。通勤時間帯や臨時列車では、2編成（電気連結器のある3次車以降同士）を連結した4両編成で運転された実績があります。初期に製造された1次車は、登場から20年ほど経過したことから、2015年8月までに全車が運用を終了しました。2次車についても、製造から30年近く経過し老朽化していたため、2019年12月以降0形6次車により置き換えが進められ、2020年9月までに運用を終了しました。3 - 4次車については、更新工事により改正省令に適合させた上で運用が継続されていますが、2022年より順次0形に置き換えられ、2028年までに全編成が運用を終了する予定です。

保存車両

第1編成の1001号車は、千葉都市モノレールの第1号車であることから、萩台車両基地で静態保存されています。かつては、2007年2月に廃車された1015号車が保存されていました。
第2編成（1003・1004）は、夷隅農場ポッポの丘（千葉県いすみ市）で車体のみが保存・展示されています。また、台車も2台のみ展示されています。車内には、運行当時の写真とポッポの丘までの輸送時の写真が展示されています。
第1編成1002号車と第8編成1015号車は、栃木県那須烏山市の那珂川清流鉄道保存会で懸垂状態で静態保存されています。一部部品が取り外されています。
第5編成（1009・1010）は、静岡県焼津市で食堂として使用されています。
* 2015年10月17日に開催された「ちばモノレール祭り2015」の会場において、第6編成（1011・1012）が1両35万円（税込、送料別）で展示販売され、美浜区の幼稚園と松戸市の昭和の杜博物館が購入しました。

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