千里川

千里川（せんりがわ）

千里川は、大阪府を流れる淀川水系の一級河川であり、猪名川の支流にあたります。この川は、地元住民にとって重要な水源である一方で、水害の危険性を抱えてきました。特に、昭和40年代から50年代にかけて改善工事が行われるまでは、「暴れ川」として知られていました。

地理

千里川は、箕面市の箕面山から湧き出し、その後萱野4丁目や船場西1丁目の藤原橋付近で芋川と出会います。その後、北西の方向へ流れ、豊中市の利倉西地区で猪名川に合流します。千里川の一級河川としての指定は、箕面市の白島から始まります。この地域の自然やその流れは、周囲の景観に深く影響しています。

歴史

千里川は長い間、地元の資源として大切にされてきました。特に1781年から1788年にかけての天明の大飢饉の時期には、水を巡って地元住民間で騒動が起こったこともありました。しかし、洪水や氾濫が頻発し、住民は大きな被害を受けていました。1967年には北摂豪雨により61名が命を落とすという悲惨な事態となり、その後千里川の治水対策が見直されることになりました。特に、野畑地区には改修工事を記念する碑が設置されています。

この改修工事は、川の流れを直線化することで行われました。1960年代から1970年代にかけて、大きく蛇行していた部分が整備された結果、洪水や氾濫はほとんど見られなくなり、「暴れ川」という名も過去のものとなりました。なお、北摂豪雨による教訓は、安威川の治水対策にも影響を与え、安威川ダムの建設が進められています。

現代の取り組み

改修後、千里川沿いには水位上昇を知らせる「千里川水位情報システム」が導入され、地域の安全対策が強化されています。また、豊中市の公式サイトでは浸水ハザードマップが公開されており、住民の安全を確保することが目的とされています。

流域の自治体と支流

千里川の流域は主に箕面市と豊中市に広がっています。支流には箕面鍋田川や芋川があり、これらの川がもたらす自然環境は地域の生態系の一部を形成しています。

観光地

千里川は観光地としても人気があります。特に大阪国際空港の滑走路32Lの近くを流れる部分では、離着陸する飛行機を間近で見ることができるため、多くの観光客や航空ファンが集まります。夜になると素晴らしい夜景が広がり、デートスポットや撮影スポットとしても重宝されています。

また、2000年には川の付け替え工事が完了し、新たに流れた区間では親水空間が設けられ、地域の人々が楽しめる場所が増えました。

生態系

千里川の流域にはサギやカモ、コイ、カメなど多様な生物が生息しています。特に上流部の北緑丘地区から野畑地区にかけては、かつてはゴミの影響で生物が減少していましたが、現在は地域住民の取り組みにより、カワセミやカルガモ、ホタルも姿を見せるようになり、自然環境が回復しています。一方で、外来種のヌートリアも確認されています。

千里川は、地域の自然と文化を象徴する存在として、今後もその重要性は増すことでしょう。

もう一度検索