千里阪急

千里阪急（せんりはんきゅう）

千里阪急は、大阪府豊中市の千里ニュータウンの中心に位置し、千里中央駅前にある百貨店です。この地は阪急電鉄系の北大阪急行千里中央駅前の主要店舗としての役割を果たしています。1970年に開店したこの百貨店は、日本万国博の開幕直前にオープンし、地域にとって重要な商業の拠点となっています。

歴史と概要

千里阪急の誕生は、他の有名百貨店が出店を検討していた時期に、大阪府による選抜により阪急百貨店に決定しました。1970年の開業当初から、プレキャストコンクリート製の特異な三角形の外装が印象的で、地域のシンボルとして親しまれています。他の競合百貨店として、大丸は百貨店ではなく、大丸ピーコックを核とした千里大丸プラザとして出店しましたが、これはその後リニューアルを受けて閉業となりました。

耐震補強工事と改装

千里阪急の初期の建物は4階建てでしたが、その後7階に増築されました。しかし、耐震性能については不足があったため、2008年には耐震補強の工事が実施されました。この工事では外部にトライアングルフレームを取り付け、耐震性を向上させつつ、既存の外観デザインも維持しました。このため、工事中でも顧客や従業員への影響は最小限に抑えられました。

近年、百貨店業界全体が厳しい状況を迎える中、千里阪急は独自の施策を検討しています。阪急阪神百貨店が全体として売上が7%増加する一方で、郊外型百貨店の販売不振が課題となっています。他社が外部テナントを導入して活性化を図る中で、千里阪急は、地域内の富裕層をターゲットにした独自の売場作りを目指しました。

特に、3階の婦人服売場の70%が改装され、多くの天然素材を使用したアパレル商品や、スタイリッシュな生活雑貨を取り扱うスペースが設けられました。「都会的スローライフ」をテーマに掲げ、新たな魅力を提供しています。

将来の展望

2022年には、エイチ・ツー・オー リテイリング主導の千里セルシーとの一体再開発が計画されていることが発表されました。この再開発プロジェクトは、三井住友信託銀行や阪急電鉄とともに進められ、2023年には認可される見込みです。今後10年程度かけて、地域に新しい魅力を持たせることが期待されています。

売上の動向

過去の売上データからは、年々の変動が見て取れます。例えば、2008年度の売上は187億100万円で、2019年度には139億200万円に減少しましたが、その後2021年度には131億4400万円に回復しています。しかし、全体的には郊外型百貨店の厳しい経営環境が影響を与えており、業界全体の活性化が求められています。

関連項目

千里阪急は近畿百貨店協会の一員であり、同じ北摂地域に位置する高槻阪急や近隣の阪急オアシスとともに、地域経済に貢献し続けています。

このように、千里阪急は地域密着型の百貨店として、変化する消費者ニーズに応じたサービスの提供と店舗の改装を進めています。今後の展開により、さらなる成長が期待されています。

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