千里セルシー

千里セルシー：記憶に残る複合商業施設の軌跡

千里セルシーは、かつて大阪府豊中市の千里中央駅前に位置し、地域のランドマークとして親しまれた複合商業施設でした。その特徴的な外観は、ローマのコロッセオを模したもので、多くの人々に強烈な印象を与えました。

概要

千里セルシーは、単なるショッピングモールとしてだけでなく、地域住民の交流拠点としての役割も担っていました。屋外に設けられたセルシー広場では、週末や休日を中心に、様々なイベントが開催され、多くの人々で賑わいました。特に、アイドルや歌手によるコンサートは人気が高く、全国規模のツアー会場として選ばれることも珍しくありませんでした。

歴史

千里セルシーは、1972年11月15日に華々しく開館しました。開館当初のキャッチコピーは「気ままな仲間のレジャーひろば」であり、その言葉通り、地域住民にとって気軽に楽しめる場所として親しまれました。1977年6月には、核店舗としてダイエーがオープンし、より一層集客力を高めました。

2002年5月31日には、新たな集客施設として千里中華街がオープンしましたが、残念ながら2007年1月には閉店しています。また、2014年8月31日には、ミニシアターの千里セルシーシアターが閉館し、時代の流れとともに施設の形態も変化していきました。

2016年6月以降、施設運営側からテナントに対して賃貸契約を更新しないという通知が届き始めました。これは、建物の老朽化による耐震強度の低下が理由とされていますが、テナントとの十分な話し合いが行われなかったことが問題視されました。そして、2019年5月31日をもって、全てのテナントが退去し、千里セルシーは閉館しました。

閉館後、多くのテナントは速やかに退去しましたが、パチンコ店が営業を続けたため、完全閉館までには約3年の歳月を要しました。

再開発計画

2024年8月、豊中市より「千里中央地区活性化基本計画〈改訂版〉」が公表され、千里セルシーは隣接する千里阪急および千里阪急ホテルと一体的に再開発される計画が示されました。これにより、千里中央地区全体の活性化が期待されています。

閉館時点の主な店舗

閉館時点では、地下1階に居酒屋などの飲食店やパチンコ店、1階にダイエー、ドトールコーヒーショップ、洋麺屋ピエトロ、サッカーショップ加茂、馬渕教室、2階にダイエー、モスバーガー、ミスタードーナツ、馬渕教室、3階に美容室、形成外科・眼科などがありました。

過去の店舗・施設

過去には、千里ラーメン名作座、フォルクス、サイゼリヤ、千房、パチンコ・スロット サンエー、千里セルシーシアター、無印良品、田村書店、メガネの三城、ABCマート、JTBトラベランド、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、TSUTAYA、ライトオン、ジョルダーノ、セルシープール、JEUGIAカルチャーセンター、ECC予備校、ECC外語学院、千里中華街、セルシーボウル、ヤマハ・アクト・イン・千里、スポーツクラブ ルネサンス、リーブ21、ダンディハウス、エステティックミスパリなど、多種多様な店舗や施設が存在しました。

千里セルシーは、時代の変化とともにその姿を変えながらも、常に地域住民の生活に寄り添い、様々な思い出を育んできました。再開発によって、新たな魅力を持つ施設として生まれ変わることが期待されます。

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