午前と午後

午前と午後の時刻表現

午前（ごぜん）と午後（ごご）は、昼夜を12時間で区切った際の時刻表現であり、正子（真夜中）と正午（真昼）を境にそれぞれの時間帯を定義しています。この表現方法は、12時間制を採用しているため、時刻に「午前」または「午後」を付加して使用されます。

時刻の区分

12時間制では、1日の時刻を真夜中を起点にして分け、前半を午前（0:00〜11:59）、後半を午後（12:00〜23:59）として定義します。具体的には、正子から正午にかけての時間を午前とし、正午から正子にかけてを午後と呼びます。正子は十二時辰の1番目の刻であり、午前と午後の切り替えを示すタイミングとなります。

例えば、午前11時は11:00 a.m.と表記され、午後2時は2:00 p.m.となります。英語では、午後を「post meridian」、午前を「ante meridian」と表現し、これを短縮した形で「p.m.」や「a.m.」が使われます。この表記法は、他の言語でも同様の表現が存在し、文化によって若干の違いはあるものの、基本的な時間の区分は共通しています。

法令と歴史的背景

日本において午前と午後の用語が法的に規定されたのは、明治期の「太政官布告第337号」であり、午前と午後の正式な定義が進められました。この法令は、12時間制を明確にし、時間を各々の期間に分けることを示しています。具体的には、「時刻はこれまで昼夜長短に従ってそれぞれを12等分してきたが、今後はこれを改めて…」という記述があり、定時法の初導入が示されています。

この告示により、正子と正午の時刻についても具体的な表現が促されました。午前0時は「午後12時」と明記されていますが、正午については「午前12時」という表現が使われており、混乱を招く要因ともなっています。日本の法令においては、正午の表現として「午後0時」は定義されていませんが、実際には午前12時と同義とされる時代もあります。

時刻の混乱

日本では「午前12時」や「午後12時」という表現が混在し、特に正午をどのように表現すべきかについての議論が続いています。この問題について、国立天文台や情報通信研究機構では、正午を過ぎてからは「午後」とし、法令の文脈を考慮の上で午後とすることが推奨されています。しかし、実際の会話や表記では「12時」と言った場合、多くの人がそれを正午と解釈します。

さらに、アナログ時計を基にした日本の「日本式」の時間表現では、12時は午前から午後への切り替えの境界とされており、これが混乱を助長しています。正子の直後は午前2時であり、正午の2時間後は午後2時となりますが、午前12時と午後12時の表現が分かりにくさを生む要因となっています。24時間制の時刻を使用すれば、この混乱は解消されると指摘されています。

デジタル時計と時刻表現

デジタル時計においても午後0時20分といった表現が使われることが増えてきましたが、ムニッタのリピーター機構など、音で表現される時計においては「12時」を用いて表現されます。このように、時間表現の方式は時計の様式や文化によって変わるため、その理解のためには時間表現の基本を知ることが重要です。

新しい時刻表記の提案

正午や正子の混乱を解消するために、情報通信研究機構では、見解として「午前」や「午後」を使用する際は、具体的な秒や分で区切ることが必要であると指摘しています。このため、「午前12時00分」といった方式が推奨されており、より明確な表現が必要とされています。これにより、法令や社会の慣習に従った正確な時間の表示が求められるのです。

上述のように、午前と午後の表現には歴史的背景や法律上の根拠がありますが、今後は新しい時刻表記と理解を促進する必要があります。

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