午

十二支の午：馬と南の方角、そして盛衰の象徴

十二支において、午は7番目にあたります。前には巳（み）、後には未（ひつじ）が位置します。西暦年を12で割った余りが10となる年が午年です。日本では新暦1月1日、中国では旧暦1月1日を年の始まりとします。午年は「敦牂（とんそう）」とも呼ばれます。

午は、時間、方角、そして季節にも関連付けられています。旧暦5月（概ね新暦6月）は午の月、昼の12時を中心とする約2時間は午の刻と呼ばれ、正午の語源にもなっています。方角では南を指し、子午線という用語はここから来ています。

五行では火、陰陽では陽に分類されます。

午の象徴性：盛衰と馬

『漢書』律暦志によると、午は「忤（ご）」とされ、「つきあたる」「さからう」といった意味を持ちます。草木の成長が限界に達し、衰え始める様子を表していると考えられています。後に覚えやすいように、動物の馬が割り当てられたと言われています。

2月の最初の午の日は「初午」と呼ばれ、稲荷神社の縁日として知られています。また、相場格言には「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という表現があり、午年の相場は一時的に落ち着きを見せる傾向にあるとされています。

午を含む干支とその他の関連情報

午を含む干支としては、庚午（かのえうま）、壬午（じんご）、甲午（きのえうま）、丙午（ひのえうま）、戊午（つちのとうま）などがあります。

興味深いことに、宮崎県北方町では、住所表記や番地符号として干支の午が使われています。これは、十二支が日常生活に深く根付いている一例と言えるでしょう。

まとめ：多様な側面を持つ午

本稿では、十二支の午について、その位置付け、時間、方角、五行、陰陽、そして伝承や相場格言、さらには住所表記における利用例まで、多角的に解説しました。単なる順番ではなく、様々な文化的・歴史的背景と深く結びついていることがわかります。午という記号を通して、時間や季節の移ろい、自然の摂理、そして人間の社会活動まで、様々な側面を垣間見ることができるでしょう。十二支を理解する上で、午は重要な要素の一つと言えるでしょう。

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