半夏白朮天麻湯

半夏白朮天麻湯（はんげびゃくじゅつてんまとう）

半夏白朮天麻湯は、金時代の医学書『脾胃論』を原典とする漢方薬です。体内の水分の偏り（水毒）を改善するために用いられ、特に胃腸が虚弱な方の様々な不調に効果を発揮します。

概要

半夏白朮天麻湯は、体内の水分バランスを整え、不調を改善することを目的とします。具体的には、以下のような症状に効果が期待できます。

胃腸虚弱: 胃もたれ、食欲不振、吐き気など
下肢の冷え: 足の冷え、むくみなど
頭痛: 慢性的な頭痛、めまいを伴う頭痛など
血の道症: 月経不順、更年期障害など、女性ホルモンの乱れによる不調

これらの症状は、体内の水分代謝がうまくいかず、余分な水分が停滞することで引き起こされると考えられています。

構成生薬

半夏白朮天麻湯は、12種類の生薬から構成されています。それぞれの生薬が、水分代謝を改善し、胃腸の働きを整え、痛みを和らげるなどの効果を発揮します。

半夏（はんげ）: 3.0g
白朮（びゃくじゅつ）: 3.0g
天麻（てんま）: 2.0g
陳皮（ちんぴ）: 3.0g
茯苓（ぶくりょう）: 3.0g
麦芽（ばくが）: 2.0g
沢瀉（たくしゃ）: 1.5g
人参（にんじん）: 1.5g
黄耆（おうぎ）: 1.5g
黄柏（おうばく）: 1.0g
乾姜（かんきょう）: 1.0g
生姜（しょうきょう）: 0.5g

これらの生薬が組み合わさることで、相乗効果が生まれ、より高い効果が期待できます。

副作用

半夏白朮天麻湯は、比較的安全な漢方薬とされていますが、まれに副作用が現れることがあります。

発疹
蕁麻疹

これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

相互作用

他の薬剤との相互作用については、医師または薬剤師に相談してください。

市販薬

半夏白朮天麻湯は、医療用医薬品として処方されるだけでなく、市販薬としても販売されています。以下のメーカーからエキス剤が販売されています。

ツムラ: 37番が半夏白朮天麻湯エキスとして販売されています。
クラシエ: EK-37、KB-37が半夏白朮天麻湯エキスとして販売されています。

市販薬を購入する際は、用法・用量を守って正しく服用してください。また、症状が改善しない場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。

まとめ

半夏白朮天麻湯は、水毒による様々な不調に効果が期待できる漢方薬です。胃腸虚弱、下肢の冷え、頭痛、血の道症などの症状でお悩みの方は、一度試してみる価値があるでしょう。ただし、服用に際しては、医師または薬剤師に相談し、体質や症状に合った適切な判断を仰ぐようにしてください。

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