半紙

半紙（はんし）

半紙とは、和紙の規格の一つで、杉原紙の寸延判（すんのべばん）を全紙として、それを半分にした寸法の紙を指します。また、延紙（のべがみ）を半分にした寸法とも定義されることがあります。実際の寸法は時代や地域によって差異がありますが、現代では縦33センチメートル、横24センチメートルのものが一般的です。

歴史

江戸時代

日本では、近世に入ると紙の需要が飛躍的に増大し、各地に紙の産地が誕生し、大量に流通するようになりました。江戸時代には、将軍から発給される文書の寸法は、権威を誇示するために室町時代よりも大型化しました。一方、一般的に使用される紙は、安価で実用的なものが求められ、小型化が進みました。その結果、半紙、半切紙、中折紙などが量産されるようになり、半紙が全盛の時代を迎えました。

寺子屋では、文字の練習に半紙を重ねて冊子状にした双紙（そうし）も用いられました。しかし、当時の紙は高価だったため、一枚の紙に何度も重ね書きしたり、何度も書き直せる黄色の漆塗紙（うるしぬりがみ）も使われました。

明治時代

明治時代に入ると、紙の産地では1904年（明治37年）頃から半紙の生産が急激に減少しました。これは、1903年（明治36年）から国定教科書が洋紙に切り替えられ、学校教育でも洋紙が急速に普及したためと考えられています。明治30年代後半には、児童が学習用として比較的頻繁に紙を使えるようになりましたが、その素材は和紙ではなく洋紙でした。毛筆に適した和紙は、学習用としてふんだんに使えるほど安価にはならず、毛筆は学校では主に習字の時間にのみ使われるようになりました。

現代

現代の半紙は、毛筆習字用として抄紙機（しょうしき）で大量生産されています。最初からこの大きさで漉かれており、書道や習字の練習に広く使われています。

規格

書道で使用される半紙の規格は、約243 × 333mm（曲尺で8寸 × 1尺1寸）であり、この規格が書道・習字用の半紙のほぼ全てを占めています。この大きさは、絵画用のキャンバスの寸法ではF4（332 × 242mm）とほぼ同じです。

半懐紙

やや大きい規格の紙として「半懐紙（はんかいし：約245 × 365mm）」があります。半懐紙は、一般的に多用される書の半紙とは区別され、「仮名書道」を主な対象として作られる料紙の規格の一つです。

まとめ

半紙は、和紙の歴史の中で重要な役割を果たしてきた紙であり、江戸時代には広く普及し、教育現場でも使われていました。現在では、主に書道や習字の練習に使われており、その規格は一定しています。半紙は、日本の文化を支える大切な要素の一つと言えるでしょう。

注釈

特になし

出典

特になし

関連項目

わら半紙
書道
* 水書板

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