卒業-GRADUATION- (テレビドラマ)

卒業-GRADUATION-

『卒業-GRADUATION-』は、1985年3月6日に日本テレビ系の「水曜ロードショー」枠で放送された、単独のスペシャルテレビドラマです。主演を務めたのは、当時人気を誇るアイドルの菊池桃子で、彼女の存在が視聴者の関心を集めました。本作は、殺人事件を題材にしたミステリー要素を持ちながらも、物語の核心には主人公の成長が描かれています。

概要

物語は、桃子という女子高生が主人公であり、彼女が経験するさまざまな出来事を通じて、自身の内面の成長を描いています。最初から犯人が明らかになるスタイルを採用しているため、伝統的なミステリーとは異なり、視聴者はこの物語がミステリーとしての側面だけでなく、成長物語としての要素も持っていることに気づきます。桃子は、幼馴染みの良介とともに事件に巻き込まれ、彼との関係や自己のアイデンティティを見つめ直すことで「卒業」していくのです。

放送終了後、視聴者からの高い評価が寄せられ、続編やソフト化が待望されましたが、なかなか実現しませんでした。しかし、2003年に菊池の作品を集めたDVDボックスに含まれて、待望の初ソフト化が実現しました。このことからも、本作の印象深さがうかがえます。

菊池桃子は後に、本作での演技について、演じる技術が未熟であったために、周囲のベテランたちのような巧妙な表現はできなかったとコメントしています。彼女は、視聴者に感情を伝えるためには、全力で体当たり的な演技をするしかなかったと振り返っています。

あらすじ

物語の舞台は、桃子が住む町。彼女は幼馴染みの良介のために、裏山の神社で大学合格を願って祈っていましたが、そこで異変が起きます。女性の悲鳴を聞いた桃子は驚いて山を駆け降り、その目の前には担任の教師・三田が立っていました。そして翌日、現場から女性の遺体が発見され、桃子は三田に疑念を抱くことになります。しかし、事件の捜査が進む中で、警察は良介に容疑をかけ始めるのです。

物語の波乱はここから始まります。良介の恋人である生徒会長の麗子が、桃子に虚偽の証言を依頼し、その結果、良介は無罪となりますが、桃子は良心の呵責に苛まれます。そんな中、偶然の出来事から彼女は自身が実子でないことを知り、偽りに満ちた世界に失望を覚え始めるのです。果たして桃子は、自らの「卒業」を果たすことができるのでしょうか。

キャスト

• - 渡辺 桃子（菊池桃子）：主人公で普通の少女。お転婆だが情に厚い。
• - 三田（岸田智史）：信頼厚い担任教師。生徒から高い人気を誇る。
• - 立花 良介（小林宏史）：桃子の幼馴染みで大学浪人生。
• - 渡辺 勝利（河原崎長一郎）：桃子の父で酒屋の店主。
• - 渡辺 蓮子（左時枝）：桃子の気難しい母。
• - 七尾 麗子（貴倉良子）：生徒会長で、良介と秘密裏に交際。

他にも多くの個性的なキャラクターが登場し、それぞれが物語を豊かに彩っています。

スタッフ

本作は、プロデューサー銀谷精一と八巻晶彦、脚本鹿水晶子、監督木下亮など、豪華なスタッフ陣が手掛けています。音楽は林哲司が担当し、主題歌は菊池桃子が歌い上げました。これらの要素が相まって、視聴者に深い印象を残しました。

『卒業-GRADUATION-』は、菊池桃子の魅力と共に、青春の葛藤や成長を描いた感動的な作品として記憶に残ることでしょう。

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