卒業III 〜Wedding Bell〜

卒業III Wedding Bell

『卒業III Wedding Bell』は、小学館プロダクションから発売されたPlayStationおよびセガサターン用育成シミュレーションゲームです。『卒業』シリーズの10周年記念作品として、ナンバリングタイトル第3作にあたります。

概要

本作の舞台は清華女子高等学校。プレイヤーは教師となり、担当する生徒たちを無事に卒業させることを目指します。従来のシリーズ作品とは異なり、本作ではゲーム開始時に選択したヒロインの1人と結婚しているという設定が特徴です。プレイヤーは、一つ屋根の下で妻との生活を送りながら、教師としての職務を全うするという、秘密に満ちた日常を送ることになります。

システム

ゲーム期間は1998年4月10日から翌年3月8日まで。1週間単位で平日の授業スケジュールを決定し、休日には妻とのデートを楽しみます。デートスポットは複数用意されており、プレイヤーは自由に選択できます。また、学園祭や臨海学校、体育祭などの学校行事はミニゲーム形式で進行します。

従来の育成シミュレーションに加え、本作では「生徒の1人と結婚しているという秘密を隠し通す」という要素が加わっています。妻との休日デートを受け持ちの生徒に目撃されると、デートは強制的に中止となり、学校内に主人公と妻に関する噂が広まってしまいます。噂を放置しておくと、内容がエスカレートし、広範囲に拡散。噂の内容が「主人公は生徒と結婚している」という段階に達するか、噂が一定の範囲にまで広まると、学校新聞で結婚の事実がスクープされ、ゲームオーバーとなります。

生徒たちのパラメーターは、何もしないと低下していきます。妻とのコミュニケーションを怠り、機嫌を損ねすぎると、離婚というバッドエンドを迎える可能性もあります。CG回想モードも搭載されていますが、閲覧できるイベントCGは、休日イベントと家庭イベントを合わせて、ヒロイン1人につき66枚に限定されています。

登場人物

主人公

名前と誕生日を任意に設定可能な、清華女子高等学校に赴任したばかりの新人教師。大学生の頃から交際していた女子高校生と、就職前に入籍していました。しかし、彼女が通う高校に就職が決まってしまったため、生徒との結婚を隠さざるを得ない状況に陥ります。校長の温情により、妻を含む問題児5人を集めた特別クラスを担当し、彼女らを無事に卒業させること、そして結婚の秘密を守り抜くことを条件に、教師としての地位を維持することになります。

入籍後は、清華女子高等学校の近くのマンションに妻と2人で暮らしています。各ヒロイン毎に主人公と知り合った時期や経緯は異なりますが、いずれも妻が高校2年生の時に入籍しています。

結婚式は挙げていないため、結婚指輪の交換は行なっていません。そのため、身に着けているのは婚約指輪のみです。結婚は秘密であるため、妻は学校では婚約指輪を外しており、自宅や休日にのみ左手の薬指にはめています。妻の高校卒業後、関係を公表し、念願の結婚式を挙げることになります。

幼少期は両親の都合で転校が多かったため、友達がなかなかできないという寂しい子供時代を過ごしました。

ヒロイン

プレイヤーの教え子は5人。ゲーム開始時に、その中から妻となるキャラクターを選択します。

尾崎 恭子（声：古山あゆみ）
菊池 希美（声：中山真奈美）
斎藤 由加里（声：小松里賀）
松山 美咲（声：高橋千晶）
渡辺 和恵（声：根橋美絵子）

評価

PlayStation版は、電撃PlayStationのDPSソフトレビューで170点（75、95）を獲得。レビュアーからは、秘密の新婚生活を送るシチュエーションや、フルボイスのメッセージ、歌詞つきOPのセンスなどが評価されました。育成シミュレーションとしては過去作より簡単で遊びやすいという意見もありました。

関連情報

攻略本、設定資料集、小説、CDなど、多数の関連商品が発売されています。
* 元々は『結婚 〜Marriage〜』を発展させた作品として企画されましたが、製作中に『卒業』シリーズ10周年の節目を迎えたため、『卒業III』として企画の方向転換がなされました。

まとめ

『卒業III Wedding Bell』は、生徒との秘密の結婚生活というユニークな設定と、育成シミュレーションとしての奥深さを兼ね備えた作品です。シリーズファンはもちろん、新たな育成シミュレーションを求めるプレイヤーにもおすすめできます。

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