協和 (元号)

協和（きょうわ）

協和とは、ベトナム阮朝の皇帝、協和帝（Hiệp Hoà）が定めた元号です。1883年7月に即位した協和帝は、翌1884年を元年とする新たな元号「協和」を制定しました。しかし、この元号は実際に使用されることはありませんでした。

協和の背景

協和帝は、阮朝の第6代皇帝である嗣徳帝の養子であり、その死後、混乱の中で帝位を継承しました。しかし、彼の治世は非常に短く、わずか数ヶ月で終わることとなります。協和帝の即位は、宮廷内の権力闘争が激化する中で行われ、その結果、帝自身も政治的な不安定さに巻き込まれていきました。1883年の即位から間もない12月、協和帝は廃位され、その後、悲劇的な最期を迎えることになります。

幻の元号

協和帝の廃位と死によって、彼が定めた元号「協和」もまた、歴史の中で幻のものとなりました。1884年は協和元年となる予定でしたが、帝の失脚により、その計画は完全に頓挫しました。協和の翌年には、新たに即位した建福帝の元号である「建福」が用いられることになり、協和は正式な元号として歴史に名を残すことはありませんでした。

元号の出典

「協和」という元号は、中国の古典である『書経』（『尚書』）の堯典にある「協和萬邦、黎民於變時雍」という一節に由来します。この言葉は、「万邦を協和させ、民を和やかにする」という意味を持ち、平和と調和を願う意味が込められています。協和帝がこの言葉を選んだ背景には、彼の治世が平和で安定したものであってほしいという願いがあったと考えられます。

協和が残したもの

協和は、その短い期間のために実際に使用されることはありませんでしたが、ベトナム阮朝の激動の時代を象徴する元号として、歴史の中にその名を刻んでいます。協和帝の悲劇的な運命と、彼が定めた元号の短命さは、当時の宮廷内の権力闘争と政治的不安定さを物語るものとして、後世に語り継がれています。

関連項目

* 元号一覧 (ベトナム)

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