南かなこ

南かなこ（みなみ かなこ）は、1981年9月7日にブラジルのサンパウロで誕生した、日本の元演歌歌手です。そのキャリアは短期間ながらも、印象的な功績を残しました。

彼女の歌手としてのスタートは2003年、「居酒屋サンバ」という楽曲でのデビューでした。このデビュー曲は、作曲家である弦哲也氏が音楽プロデュースを手掛けたほか、演劇集団THE CONVOYを率いる今村ねずみ氏が振付を担当、さらにテレビ番組『ASAYAN』のデザイナーオーディションでグランプリを受賞したごあきうえ氏がコスチュームデザインを担当するなど、各界の著名なクリエイターからの強力なバックアップを得て実現しました。デビュー早々、彼女の実力は高く評価され、同年には第45回日本レコード大賞および第36回日本有線大賞という、主要な音楽賞で相次いで新人賞を獲得するという快挙を達成しました。

所属事務所については変遷があり、デビュー当初は幸子プロモーションに籍を置いていましたが、2008年9月をもって同事務所を離れ、一時フリーランスとして活動。その後、2009年からはゴーゴーカンパニーに所属しました。ファンとの結びつきも大切にし、2009年7月1日には公式ファンクラブ「みんなのみなかな」が設立されています。

歌手活動と並行して、南かなこはラジオの世界でも精力的に活動しました。文化放送の深夜番組「日野ミッドナイトグラフィティ 走れ!歌謡曲」では、2008年3月まで木曜深夜（金曜未明）のレギュラーパーソナリティを務め、その後も2008年7月から2010年3月にかけては金曜深夜（土曜未明）の枠内で「かなこのいろはにほへとぉ〜!」という自身のコーナーを担当しました。特に、2011年2月には、同番組の火曜深夜（水曜未明）担当パーソナリティが交代する際に、およそ1ヶ月間、ピンチヒッターとして番組進行を務めるなど、長きにわたり番組に関わり、リスナーからの人気を集めました。また、ラジオ大阪の「ほんまもん!原田年晴です」では木曜日のレギュラーパートナーを、STVラジオの「かなこのあんな歌、こんな歌」や、NHK-FMの「FMトワイライト」では金曜日のパーソナリティを務めるなど、幅広いラジオ媒体でその声を聞かせました。2011年には、第44回日本有線大賞においてロングリクエスト賞を受賞するなど、発表から年数が経ってもファンから長く支持される楽曲を持っていたことが証明されました。

音楽活動以外では、2010年より、日本コロムビアの創立100周年を記念して企画された「演歌アイドルユニット」、コロムビア・ガールズ・コレクションの一員としても活動に参加しました。テレビドラマへの出演経験もあり、日本テレビ系列で放送された「ドラマ・コンプレックス」枠の作品「芸能界風雲録〜一寸先は闇〜」に出演しています。

私生活では、2012年に知人を介して出会った会社員の男性と結婚しました。この結婚を一つの区切りとして、デビュー10周年を迎えるにあたり、芸能界からの引退を決意しました。引退後は主婦業に専念する意向を示し、2012年6月末をもって芸能活動を終了しました。彼女にとって最後の仕事となったのは、2012年6月1日から25日まで大阪・新歌舞伎座で行われた五木ひろし特別公演への出演でした。

人物像について触れると、公表されていたプロフィールでは、身長156cm、体重42kgでした。また、NHK-FMの「FMトワイライト」番組内でリスナーから愛称を募集した結果、「かなゴン」というニックネームが定まり、多くのファンに親しまれました。自身のブログでは、人気アニメーション作品『秘密結社鷹の爪』に登場するキャラクター、特にレオナルド博士や吉田君などのデコメを好んで使用しており、親しみやすい一面も垣間見せていました。

ディスコグラフィとしては、日本コロムビアから複数のシングルやアルバムがリリースされています。引退後、新たな作品の発表や公の場での活動は行われていませんが、短期間のうちに新人賞を獲得し、ラジオパーソナリティとしても活躍した演歌歌手として、その名は記憶されています。

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