南カメルーン連邦共和国

南カメルーン連邦共和国（アンバゾニア連邦共和国）

南カメルーン連邦共和国（Federal Republic of Southern Cameroons）、またはアンバゾニア連邦共和国（Federal Republic of Ambazonia）は、カメルーンに属する北西州と南西州を合わせた地域で展開されている分離独立運動において、独立を主張する政府が自称する国名です。

アンバゾニアという名前は、カメルーン南西部にあるアンバス湾に由来します。

概要

南カメルーンの面積は42,383平方キロメートル、人口は約210万人です。政府所在地はブエア、第2所在地はバメンダです。公用語は、イギリス植民地時代から使用されている英語です。

カメルーンの国土の大部分はフランス領でしたが、南カメルーンの2つの州はイギリス領でした。カメルーン独立後、フランス語を話す住民が主導権を握り、英語を話す住民は経済格差などの不満を抱えていました。そのため、分離独立運動が活発に行われています。

隣国ナイジェリアとは、バカシ半島の領有権をめぐって対立しています。独立運動組織である南カメルーン国民会議（SCNC）は、バカシ半島は南カメルーンの一部であると主張しています。

歴史

1858年: イギリス人宣教師アルフレッド・セーカーが、解放奴隷のための入植地としてアンバス湾に入植し、集落「ヴィクトリア」（現在のリンベ）を建設。
1884年: イギリスが保護領アンバス湾を設立。「ヴィクトリア」はイギリス保護領アンバス湾の中心地となる。同年、ドイツ領カメルーンが成立。
1887年: イギリス保護領だったアンバス湾とその周辺地域がドイツに割譲され、ドイツ領カメルーンの一部となる。
1922年: 第一次世界大戦の結果、ドイツ領からイギリス領カメルーンとなる。
1954年: エマニュエル・M・L・エンデレイが南カメルーンの自治権を主張。
1955年: ジョン・フォンチャが南カメルーンにてカメルーン民族民主党（KNDP）を設立。
1959年: 投票で現状維持が多数を占め、フォンチャがイギリス領カメルーンの首相に就任、アルバート・ムコングが副首相となる。
1960年: ナイジェリアがイギリスから独立。フォンチャはナイジェリアとの関係を絶つ。
1961年: 北部はナイジェリアと統合、残った南部はカメルーン共和国（独立したフランス領カメルーン）と統合し、カメルーン連邦共和国となる。
1972年: 国号をカメルーン連合共和国に変更。
1980年代: カメルーン英語話者運動（CMA）などの独立を主張する組織が活発に活動。
1984年: 国号を現在のカメルーン共和国に変更。
1995年: フォンチャらかつての指導者も加わった独立運動組織南カメルーン国民会議（SCNC）がブエアに設立。
1999年: SCNCがラジオ局を占拠し、南カメルーン（アンバゾニア）の分離独立と主権回復を宣言。エボングらが逮捕される。
2000年: SCNCは、イギリスに亡命していたエボングをSCNCの議長及び南カメルーン連邦共和国の最初の大統領として指名。
2001年: エボングが南カメルーン(アンバゾニア)の臨時政権の組織を発表。
2017年: 独立派がアンバゾニアの暫定政府を形成し、再び独立宣言。アユク・タベが自称大統領に選ばれる。以後、アンバゾニア独立派と治安部隊が衝突。
2018年: アユク・タベらがナイジェリアで逮捕され、カメルーンに引き渡される。アムネスティ・インターナショナルは、治安部隊が超法規的殺人などを行っていると報告。
* 2019年: カメルーンの軍事裁判所は、アユク・タベら分離独立派リーダーに終身刑を言い渡す。初代大統領だったエボングがアメリカで死去。

現在も、独立派のSCNCがアンバゾニアの国名の元、分離独立運動を続けています。

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