南北スーダン国境紛争 (2012年)
南北スーダン国境紛争の詳細
南北スーダン国境紛争は、2012年におけるスーダン共和国（北スーダン）と南スーダン共和国の間で発生した領土に関する争いです。この紛争は主に、両国の国境に位置する油田地帯を中心に展開されました。特にアビエイ地区における帰属問題が争点となり、地域の資源をめぐる対立が大きな緊張を生んでいます。
争いの背景
スーダン共和国と南スーダンの間の対立は、もともとアビエイ地域の帰属を巡るものです。2008年には南北での合意がなされましたが、この合意はアビエイ地区以外の領土に関するものであり、最終的な結論は出されていませんでした。そのため、南スーダンが独立した後も、アビエイ地区の帰属を巡る争いは続いていました。
2012年3月、南スーダン政府軍はヘグリグ油田への武力侵攻を行います。この油田は南スーダンが主張する権益があるとされ、スーダン側は反発しました。南スーダンはヘグリグ油田をアビエイ地区に含まれないとし、スーダン側の主張を認めていませんでした。
2012年の経過
2012年4月、南スーダン軍はヘグリグ油田を制圧しました。これに対し、スーダン空軍はユニティ州の州都ベンティウを空爆。両国の緊張は急速に高まりました。4月18日には、スーダンのバシール大統領が南スーダン市民の解放を目指すと演説を行い、再び状況が悪化しました。
その後、南スーダン軍はヘグリグ油田から撤退を開始しましたが、空爆は続きました。12月には、国際連合のヘリコプターが誤ってスーダン軍に撃墜され、4名の乗員が死亡するという事件が発生しました。
国際的な対応
紛争を受けて、国際連合安全保障理事会は両国を非難し、即時停戦を指示しました。2012年5月2日には、両国に対して経済制裁の警告を伴う決議案が満場一致で採択され、難色を示していた中国やロシアも賛成に回りました。
さらに、日本の外務大臣である玄葉光一郎は南スーダンとスーダンの外交官と会談し、和平協議を再開するよう要求しました。このように、国際社会の介入が模索され、その後も停戦が求められる状況が続きました。
結論
南北スーダン国境紛争は、アビエイ地区における油田を巡る権益争いを中心に展開され、双方の国勢に影響を及ぼしています。国際社会もこれに注目し、解決を促しており、地域の安定を図るための努力が続けられています。この紛争は、資源争奪がいかに国際関係に影響を与えるかを示す一例となっています。
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