南大塚古墳群

南大塚古墳群の詳細

南大塚古墳群（みなみおおつかこふんぐん）は、埼玉県川越市に所在し、合計27基の古墳から構成される歴史的な遺跡です。この古墳群は4つの支群に分類されており、順に豊田町支群（1基）、大塚支群（2基）、豊田本支群（18基）、大袋新田支群（6基）からなります。この地域は、関越自動車道が豊田本支群を通過する形になっており、交通の便も考慮されています。

1969年には、埼玉県が選定した重要遺跡に指定され、さらに2023年には中でも特に価値のある山王塚古墳が国の史跡に登録されました。

主な古墳とその特徴

山王塚古墳（大塚支群）

南大塚古墳群における最大の古墳で、上円下方墳の一例として、日本国内でも数少ない形式です。この古墳は、7世紀の後半、651年から675年の間に築造されたと考えられており、下方部は一辺約69メートル、上円部は直径37メートルのサイズを誇ります。これにより、確実に上円下方墳として特定された古墳の中で最大のものとなっています。

山王塚古墳は1958年に川越市の指定史跡に認定され、発掘調査が行われることで、他の古墳とは異なる多様な特徴が明らかになっています。

山王塚西古墳（大塚支群）

直径約32メートルの円墳であった山王塚西古墳は、1916年の開墾により破壊されてしまいました。残された横穴式石室は南側に開口し、全長が11.55メートルに及びます。ここからは多くの副葬品が出土し、その中には大刀や勾玉、金銅製の環など多彩な遺物が含まれており、これらは2010年に市指定の有形文化財に指定されました。

菅原神社東古墳（豊田本支群）

この古墳は直径20メートルの円墳で、上には菅原神社の社殿が建立されています。この神社の存在により、古墳の形状が変形している点も特筆すべきです。

文化財としての評価

南大塚古墳群は、多くの貴重な文化財を含んでいます。特に山王塚古墳は、その歴史的重要性から1958年に川越市指定史跡、2023年には国指定史跡とされるほどです。また、出土品の中でも山王塚西古墳の出土品は、2010年に市の有形文化財に指定されています。これらの遺物は、この地域の歴史や考古学的な背景に対する研究に貴重な情報を提供しています。

参考文献

• - 塩野博 『埼玉の古墳　北足立・入間』
• - 埼玉県教育局市町村支援部文化資源課『埼玉県文化財目録』

このように、南大塚古墳群は埼玉県内でも特に重要な古墳群として位置づけられ、深い歴史的背景を持つことが分かります。

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