南岡山駅 (岡山県)

南岡山駅の歴史と特徴

南岡山駅（みなみおかやまえき）は、岡山県岡山市にかつて存在した岡山臨港鉄道の駅であり、1984年12月30日に運行が終了し、その歴史に幕を下ろしました。この駅は、開業当初は「汽車会社前」という名称で知られており、1947年2月17日に専用線として開業しました。

歴史的背景

駅の設立当初は、岡山臨海鐡道の本社と機関区が近くにあり、地域の鉄道輸送の中心的な役割を果たしていました。これに伴い、倉敷絹織や山陰木材防腐といった企業の専用線が駅に接続され、さらに1953年には同和鉱業、1958年には大建ウォールボード工業の専用線も新設されました。

1960年には汽車会社が撤退し、この機会に駅名が「南岡山駅」に変更されました。また、1962年には自社の倉庫への新たな側線が追加され、更なる貨物取扱いの便宜が図られました。1968年には旅客業務が岡南元町駅に移管されたことで、南岡山駅は貨物専業の駅となりました。1976年には新たな丸正製粉専用線が設立され、駅の機能は一層専門化しました。

駅の構造と設備

南岡山駅は、4本の線路を備えたヤードを有していました。旅客ホームも残されており、かつては旅客輸送にも利用されていました。この駅から岡山港駅へ向かう列車が出発する際には、2位色灯式の信号装置が設置されており、列車の通過に伴い信号灯は赤から青へと変わる仕組みになっていました。これは、安全確認の意味もあったとされています。

利用状況と貨物輸送

1984年度の資料によると、南岡山駅では年間の貨物取扱量は合計約49,160トンに達し、到着量が15,957トン、発送量が33,203トンとなっています。これからも、地域の輸送において重要な役割を担っていたことが伺えます。

周辺駅との関連

南岡山駅は岡山臨港鉄道線における駅で、隣接する駅として岡南元町駅と岡山港駅がありました。これにより、地域間の輸送ネットワークが形成されていました。

文献

南岡山駅に関する詳しい情報は、寺田裕一著の「線路・駅」や、名取紀之編の『岡山臨海鐡道』などの資料で確認できます。

南岡山駅は、その歴史の中で重要な輸送拠点として機能していたことがわかりますが、1984年の廃止によりその役割を終えることとなりました。駅自体は廃駅となったものの、当時の産業の発展には大きく寄与していたことは色あせることのない事実と言えるでしょう。

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