南栗橋車両管区

南栗橋車両管区：東武鉄道の車両基地

南栗橋車両管区は、埼玉県久喜市北広島に位置する東武鉄道の重要な車両基地および総合メンテナンスセンターです。日光線南栗橋駅の北側に広がるこの施設は、車両の検査・修繕から、ファン向けのイベントまで、鉄道の安全と魅力を支える様々な活動が行われています。

概要

1986年の南栗橋駅開設に伴い、春日部検修区南栗橋派出所として留置線が設けられたのが始まりです。その歴史は古く、1924年に遡る西新井電車区が前身となっています。1994年以降、列車検査や車内清掃業務を開始し、2003年には春日部・館林・新栃木の3検修区を統合して南栗橋検修区となりました。2004年には西新井工場と杉戸工場を統合した南栗橋工場が開設され、2009年に現在の南栗橋車両管区に名称変更されました。

管理下の組織

南栗橋車両管区は、本区を中心に、春日部支所、七光台支所、館林派出所、新栃木派出所、そして南栗橋工場によって構成されています。

本区: 列車検査・月検査を実施し、6050系、8500型、20400型、50000型、50050型などの車両が所属しています。
南栗橋工場: 全般検査や重要部検査を担当し、本線系統の全車両と東上線系統の一部の車両の検査を行います。工場業務は東武インターテックが担当しています。
春日部支所: かつての春日部検修区で、100系「スペーシア」、200型「りょうもう」、500系「リバティ」など、多くの特急形車両が所属しています。
七光台支所: 野田線（東武アーバンパークライン）の七光台駅に隣接し、8000系、10030型、60000系などが所属しています。
館林派出所: 館林駅に隣接していましたが、2023年の組織再編で派出所化され、所属車両は春日部支所へ移管されました。
新栃木派出所: 新栃木駅に隣接していましたが、同じく2023年の組織再編で派出所化され、所属車両は本区へ移管されました。

東武ファンフェスタ

2005年からは、毎年秋に「東武ファンフェスタ」が開催されています。このイベントでは、鉄道車両の撮影会、工場見学、物販コーナーなど、鉄道ファンにはたまらない企画が盛りだくさんです。過去には、臨時列車の運行や、鉄道コレクションの先行発売も行われました。2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、2022年には「東武プレミアムファンフェスタ」として規模を縮小して開催されました。

SL見学広場

SL「大樹」の運行開始に伴い、SL検修庫と共に「SL見学広場」が設けられました。SLの構内試運転日には、その様子を自由に見学することができます。

車両避難計画

南栗橋車両管区は、台風や線状降水帯による大規模洪水が発生した場合に浸水が想定されています。そのため、東武鉄道では大規模洪水が予想される際、計画運休を前提として、所属する200本超の編成全てを高架区間などの安全な場所に待避させる「車両避難計画」を策定し、訓練を行っています。

沿革

南栗橋車両管区は、その前身となる西新井電車区から数えて、約100年の歴史を持っています。組織の移転や統合を経て、現在の形となりました。

1924年：西新井電車区発足
1945年：杉戸工場発足
1986年：春日部検修区南栗橋派出所新設
2003年：南栗橋検修区発足
2004年：南栗橋工場完成、南栗橋車両管理区発足
2009年：南栗橋車両管区発足
* 2023年：館林出張所・新栃木出張所を閉鎖し派出所化

南栗橋車両管区は、東武鉄道の安全運行を支える重要な拠点であるとともに、鉄道ファンにとっては魅力的なイベントが開催される場所でもあります。その歴史と役割を知ることで、東武鉄道への理解がより深まるでしょう。

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